ドメーヌ・ルロワ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年09月18日 | |||||||||||||||||||||||
<ジュブレ・シャンベルタン> 抜栓後すぐINAOグラスへ。エッジにはオレンジ色を配する濃い目のルビー色で、すっかり熟成モードに突入している色合いである。香りにはインパクトがあり、かなりの力強さがある。鼻を近づけただけで、ボワッと音が聞こえるようで、まさにルロワのパワー炸裂の様相である。で、ここで一端終了し、ボトルから200mlほど取り分けて(理由は、いろいろです)、残りを空気に十分触れさせるために2時間以上経過させてから試飲を開始した。香りのパワーには気持ち穏やかさが感じられるが、健全に、かつ勢いは保ちつつ、口に含めば、滑らかでボディ感のある味わい。酸味がやや優先するかなと思いながらも、グランクリュシリーズを意識させるルロワの実力に脱帽である。甘い香り立ちは、黒系果実をベースにカカオやトリュフのニュアンスがあり、スパイシーさも感じられる。男性的で、力強いワインの印象であり、気持ちハービーなところもあるようだ。余韻は村名を考えると長めだが、一連のルロワを思い出すと、それほど長くもなく、またコンパクトさも否定できないので、そこはそれ、村名格の格式どおりと認識したりもする。 もちろん凄いワインではあるが、ドメーヌ・ルロワとしてはそのAOC通り、最もスタンダードな位置に収まっていそうな、そんな印象も拭えず、年産292本という非常に少ない生産量からくる希少性と珍品度合いの高さを意識すれば、一度飲めたのでそれでいいかもと思ったりするところが少し悲しくもある。 ドメーヌ・ルロワの希少な村名ワイン。他の造り手の数倍で取引される価値が、ここにあるといえばありそうな気もするが、同じ価格で他の造り手のグラン・クリュも買える事を考えると、ようは飲み手の価値観しだいということに落ち着きそうな味わいである。 珍品さんは珍品であることに最大の存在理由がある、かも。 以上 |