ジャン・ジル・シャスレ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年10月18日 | |||||||||||||||||||||||
<ボジョレー> 抜栓後ある程度飲まれた後で、遅れて試飲(抜栓時間等不明)。いろいろあってボルドーグラスに注がれたボジョレーは、あかるい色調で、瑞々しさを感じる色合い。香りには華やかさがあり、イチゴフレーバーが心地よい。口に含めば、おおおお、これは凄いと思わずビックリ仰天の面持ち。イチゴジャムのつぶつぶした感じが手に取るように分かるニュアンスが大変面白く、それでいて決して重くならず軽やかな味わいに、かなりの喜びを感じることができる。果実味たっぷりで、つぶつぶしていて、それでいて、ジャムのようなくどさなく、またかすかに香るバニリンオークの混ざり具合も絶妙で、何ともいえない爽やかさをも持っているのだ。ボジョレーがこんなにうまいとは・・・。余韻も長く、うまみ成分の塊を意識する時、「今年一番印象に残ったワインは何ですか」の問に、機山洋酒工業の2001キザン(甲州)と並び、このワインを挙げそうな予感すら漂うから不思議だ。 はっきり言ってうまい。おそらくは毎晩飲んでも、その度にこの果実味に微笑んでしまいそうな、そんな予感を心に秘めつつ、絶対ケース買いだろう。しかし、どこで買えるかは、ちょっと言えない。(しかしセミナーで必ず登場するかも・・・ロゼもうまいらしい・・・) ところで、ボジョレーは花崗岩土壌だが、このボジョレーはその地区の南端に位置し、石灰岩の割合が多いという。日本ではまだ無名のジャン・ジル・シャスレは、自然派の葡萄栽培を実践しつつ、ドミニク・ローランとのコラボによる樽の妙技も実現しているという。またパカレやシャソルネイと同じく、除硬しない醸造と、醸造の段階では酸化防止剤を使用せず、3000リットルの大樽で8ヶ月間のシュールリー熟成を経るなどの手法も興味深く、しばらくは大注目の造り手になることだろう。ちなみに来年からビオディナミ農法に移行するらしい。 本当は内緒の造り手にしたいのだが、ちょっとこのワインは嬉しいので、特別に・・・。 以上 |