D.R.C. | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年11月24日 | |||||||||||||||||||||||
<はじめに> 今回はスペシャル企画として2001年ビンテージのDRCのふたつの特級ワインを飲み比べようというもので、抜栓時の判断によりデカンタはせずに、そのままグラスに注ぐことにした。(自分のだけすぐさまINAOグラスでちょっぴり、参加メンバーは1時間半ほど経過後にリーデル・ヴィノム ブルゴーニュグラスにてたっぷりと) <特級エシェゾー> ヴォーヌ・ロマネらしい赤系果実のニュアンスにオリエンタリックなスパイス香が加わり、非常に上品な味わいは、2001年を今あけたかと思うと意外で、すでに何もせずに美味しい状態にあることが、不思議であったりする。ミネラル感もたっぷりとあり、余韻も長い。リーデルグラスに注いだも2時間ほどはその優しいパワーを保ち続け、特級ワインの本領をすでに惜しげもなく発揮していた。 <特級ロマネ・サン・ヴィヴァン マレ・モンジュ> さすが、である。これぞブルゴーニュの中心的な味わいがし、全ての要素が丸みを帯びた球体の中に存在し、そのなめらかにして奥深い味わいは、極めてエレガントであった。一口含んだだけで、そのするりとした味わいは、無意識の内に喉下を通過し、その滑らかさは水よりも違和感がない。そして遅れてやってくるうまみ成分に心も体もよじれつつ、その官能的な味わいにしばらくは酔いしれるのであった。何も飲んでいないかのように、するりと体内を通過する様は、なんだか狐につままれた感じにも似て、天下の大銘醸を飲む心構えに肩透かしを食らわせながら、余韻の塊が体を包み込んでくるから嬉しくなる。香りは複雑で、列挙するのもは興がさめる。まさに格の違いを見せ付けつつ、畑の香り=海のニュアンスとともに、ミネラル感たっぷりの味わいがいとおしい。このなんとも不思議な異空間を漂わせる雰囲気が面白く、ゆったりとたっぷりと楽しめる逸品だ。究極の食中酒として、水代わりに飲めたらある意味幸せだろうし、ある意味不幸だろうしと感じつつ、とても複雑な味わいの、すばらしいワインだと思われる。 <まとめ> 最近、コント・ラフォンとデュガ・ピィの2001年を固め飲みしているが、両者がデカンタを必要としたのに対し、DRCはデカンタを欲せず、そのまま注いだだけで美味しく楽しめてしまった。2001年をしてすでにこの境地に達するところから推測するに、このワインは長期に熟成させるよりも、いつでも飲み頃のような気もしなくもなく、もう一回飲みたいかといわれれば、素直にうなずくことも難しいかもしれない。一度飲んでいい経験をさせてもらいました的な、そんなワインが悲しくもあり、ワインの不思議さが楽しい夜だったりした。 今宵の出会いに感謝。 以上 |