アンリ・ジャイエ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年12月18日 | |||||||||||||||||||||||
<ブルゴーニュ> 抜栓後ブショネチェックをして小一時間後にリーデル・ヴィノムシリーズ・ブルゴーニュグラスへ。透明感のある褐色系ルビー色。香りは熟成モードに完全に彩られ、なめし皮に紅茶、キノコ系のやさしいくもしっかりとした香り立ち。口に含めば、滑らかで酸味のバランスもよい穏やかな味わいで、ぐぐぐっこれぞアンリ・ジャイエ節・・・と唸りたくなるほどの味わい。余韻は長く、偉大な造り手が長熟のビンテージに造りあげたピノ・ノワールの傑作がここにある、といった感慨にふけたりする。銘醸ワインのすばらしさが、まさにここにある。ただし、ACブルゴーニュゆえに壮大な世界観はもっておらず、幾分小粒感は否めないが、しかしそれはブルゴーニュゆえの酒質につき、なんら悲観するところはなさそうである。抜栓後は早めに飲んだほうが、楽しめることだろう。 今回は事情により同じワインを3本も抜栓したが、仮にそれぞれのボトルをABCと仮称すると、AとBにはそれほど違いはなかったが、後にあけたCは他者を圧倒するほどのパワーを持っており、まだまだ果実味が健在で、同じ1990年のラターシュの遠縁?を意識させるポテンシャルに、ちょっとドキリとしたりした。古酒はボトル差がやむを得ないが、3本比べることで見えてくるものもあり、とても貴重な経験だった。 もう一本持っているとしたら、体調のよい時に、デカンタをすることなく静かにブルゴーニュグラスに注ぎたくなるから、もう一度出会いたいと思いつつ、5万円という価格を考えると、今宵が最後の出会いでもいいかなと思わなくもない。 ちなみにセラー蔵出しらしい・・・。 以上 |