D.R.C. | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2005年01月05日 | |||||||||||||||||||||||
<特級リッシュブール> ボトルネックは相当下がっていて、数日前から立てていたボトルの底にはかなりの澱が沈殿している。抜栓後デカンタはせずに、すぐさまリーデル・ヴィノム・ブルゴーニュへ。色が抜けているようなニュアンスで、薄い紅茶のような色合い。香りには紹興酒とともに麦茶、カラメルなどがあり、41年の歳月を忍ばせるに十分な香り立ちをしている。口に含めば、紹興酒を麦茶で薄めたようなニュアンスが面白く、果実味こそないが、まだまだ健全で、とろみ感を伴った優しい味わい。余韻の長さも悪くなく、ワインがまさに水に戻ろうとしている、といった感じ。まさに41年の時を経て、当時リッシュブールの大地に降った雨の味わいに戻ろうとしている、そんな印象が心に何かを響かせてくる。 ブラインドで試すなら、これをリッシュブールと言い当てる人はいないだろうと想像しつつ、ピノ・ノワールはおろか、ワインであることすら気がつかない不思議な味わいだ。時間と共にカラメル香が増してきて、グラスの中では一向に衰えない静かなパワーに、少し戸惑いつつも、たっぷりと楽しめるところがすばらしい。このワインは、ボトルネックの状態や某氏の助言により8:2の割合で、微妙かと思われたが、残りの2割の真ん中ぐらいの位置で収まっていて、ほっとしたりした。 41年前のリッシュブール・・・。時空を超えた歓喜がここにある。 かつてイタリアの商社が扱い、アメリカかイギリスを経由して日本まで到着した旨の記載がエチケットに残りつつ、新年早々すばらしいワインとの出会いに感謝なのであった。 以上 |