ショパン・グロフィエ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2005年02月05日 | |||||||||||||||||||||||
<ブージョ(村名)> 抜栓後すぐINAOグラスへ。エッジにガーネットが見られる優しい色合いで、10年の歳月を懐かしませる色合い。香りはビターな中に甘さを感じ、果実香とともに枯葉や中国茶のニュアンスも楽しい。口に含めば、ほんのり甘く、ほんのり甘酸っぱい。うまいですね。ボディ感はなく、余韻も短めであるが、口に含んでいる時の幸せ感は、なかなかありつけない感覚かもしれない。ブルゴーニュに出会った頃、そういえばこんな優しい果実味のワインが、好きで、今の自然派の流れとはまた違った癒し系の味わいに、ほっとしたりもする。ガツンとした主張や可憐な装いはあまりなく、ほんとしみじみ傍にいてくれている味わいが、とてもうれしいのである。ほのぼのとして、なぜだか目頭も熱くなったりする。おそらくは熟成のピークをやや超えて、もう一本見つけられるのならば、早めに楽しんだ方がよさげではあるが、どこで手に入るかわからないので、今宵が最後の出会いになるかもしれないと思うと、余計に切なさも募るというものだ。 <ニュイサンジョルジュ1級シェニョ> 抜栓後すぐINAOグラスへ。こちらはまだまだ黒系果実が優先する力強さを残している。香りは閉じていて、これを開かせてやるには温度管理や空気接触に心配りが必要かもしれないが、ヴージョと同一条件で楽しむ道を選択したりした。味わいには黒系果実をベースに枯葉やなめし皮、キノコなどが絡みつき、程よい酸とのバランスもよくなっていて、これはうまみを引き出そうとすれば、かなりのプレゼンテーションが展開されそうな予感も秘めつつ、今宵はちょっとナイーブに、言葉も少なげに静かに語りかけてくれただけだった。ヴージョの甘酸っぱさのあとでは、ポテンシャルの高さは格段の違いを見せ付けるものの、村名ブージョの弱々しい果実味が全開するこの瞬間では、少し目立たない存在になってしまったかもしれない。 <まとめ> ショパン・グロフィエは、とても美味しいワインだと思う。すでに生産はされていないので、バックビンテージを見かけたら、手にとっておきたいと思う。 以上 |