ベルナール・デュガ・ピィ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2005年03月10日 | |||||||||||||||||||||||
<ジュブレ・シャンベルタン VV> 瓶詰めしたばかりのボトルをベルナール本人から手渡され、小一時間ほど車で移動し、室温に戻しつつ抜栓後すぐにブショネ・チェック分だけ抜いて3時間ほど待つ。ブルゴーニュでよく使用されている小型のバルーン型グラスに注ぐと、かなり濃い目の紫色を配する黒に近いルビー色で、カシスやベリー、スミレなどが香ってくる。バニリンオークのニュアンスもかなり意識し、新樽の効果が良くも悪くもワインに現われている。香りの力自体は抜栓直後の方が荒々しいほどに香っていたが、3時間の時を経て落ち着きを取り戻したかのような印象だ。口に含めば、圧倒的な存在感を示し、力ずくで暑かった夏を克服したかのような意思を感じる。まだまだ酸とタンニンのバランスは悪く、こなれるまでに相当な時間を要しそうだが、果たしてこのワインがどう展開していくのか、ちょっと予想もつきにくい。大方の予想通り酸は少なく、それ自体はベルナールも認めるところだが、その不足分を豊かなタンニンで補う印象だ。余韻はそれほど長くはなく、うまみ成分もまだまだあまり感じないが、存在感だけはピカイチ的に持っているところが凄いかもしれない。さて、このワインがどうなるのか、しばらくは注視して行きたいと思ったりする。 このワインは、濃くって強いワインの典型的な要素を持ち、いわゆる自然派によく見られるような薄口のうま口ワインとは、対極にありそうな感じであり、サプライズを提供するにはとても面白そうではあるが、一方でその存在感のために、プレゼンターは疲れてしまいそうな予感もしつつ、ひどく暑かった大地の個性を知るには欠かせないワインのひとつにあげてもいいと思われる。 ひどく暑かった大地に、持てるテクニックでそれに対応したベルナール・デュガ・ピィのワインはどんな味わいなのか。結論を出すにはあまりにも早すぎるが、異常な高値も予想され、その評価を下すには、なんとも難しいワインになりそうである。 おしまい |