ブルゴーニュ大会2 | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年3月28日 | |||||||||||||||||||||||
<ミクルスキ> ガメイ種を連想させる味わい。軽い飲み応えはこのドメーヌがムルソーにあり、このムルソーが白の卓越したAOCだからだろうか。最近、極上のムルソーをリリースしてブレイクしつつあるミクルスキであるが、このACブルゴーニュの赤は白の芳醇さとはうって変わって爽やかな味わいが前面に出ている。桜の花の満開の下で、陽だまりの公園にござを敷いてみんなでわいわいやりたい時、このワインを飲んだら盛上りそうである。桜色の色合いと爽やかな味わいが、アウトドアの清々しさを演出してくれそうだ。 価格:2200円(税込) 拠点:ムルソー 看板:ムルソー・ジュヌブリエール ムルソー・シャルム <ジャック・カシュー> 紫系のルビー色は低温浸漬の賜物だろうか。渋みを感じる味わいはより質感を伴っている。ビンテージ違いで感じた動物香はないが、素性のよさを感じるワインである。日常ワインとしてこのジャック・カシューが食卓を彩る時、昼間の疲れも癒される。普段飲みにこのワインを、ちょっといいことがあった夜にはヴォーヌ・ロマネかニュイ・サン・ジョルジュを、ご褒美にはエシェゾーを振舞いたい。ヴォーヌ・ロマネ村のワインは高値で取引されるが、このドメーヌはまだ知られていないようで比較的お手ごろな価格で入手できる。ちょっと隅に置けない存在である。おいしいよ。 価格:2600円(税込) 拠点:ヴォーヌ・ロマネ 看板:エシェゾー <ロベール・シュヴィヨン> ロゼを思わせるようなオレンジ色を基調とした色合いは、とても印象的。薄い色調にもかかわらず、味わいはうまみ成分で満たされている。うまい。アルコール度数以上の強さをも感じる。下衆な言い方を許してもらえるならば、香に杏を感じ、しかもそれはその昔、小学校のそばにあった駄菓子屋の10円ぐらいのビニールに入っていた着色料全開の杏菓子に似ている。ペルナン・ロサン系の臭みを柔らかくしたような印象。こんなこと書くと不味いのかと思われそうだが、私はこの味は好みである。ニュイ・サン・ジョルジュには湿った土壌香を持ち合わせているが、なるほど、かすかに連想させる実力がある。 価格:2600円(税込) 拠点:ニュイ・サン・ジョルジュの第一人者 看板:ニュイ・サン・ジョルジュ レ・サンジョルジュ <ユベール・リニエ> ピノ・ノワールらしい色合い。黒系と赤系が品よく混ざり合い、とても優雅である。草っぽさを感じるところは、まさにリニエ節であるが、ややもの足りなさを感じた。リニエの名声と実力を知ってしまったからだろうか。それとも1995というグレートビンテージを意識したためだろうか。やや期待と違う味わいだった。今回は前3本と同じく抜栓後すぐにINAOに注いだが、デカンタや抜栓時間やら、一工夫加えることで劇的に味わいを変えそうな予感を覚える。6年前のACブルゴーニュではあるがまだまだ期待は膨らみつづけるワインである。ここはもう一本買って飲み方の違いによる味わいの差を確かめたいものである。そう思わせるところこそこのワインの魅力でもある。 価格:3500円(税込) 拠点:モレ・サン・ドニの第一人者 看板:クロ・ド・ラ・ロシュ <まとめ> 今回は幸運にも4本ものACブルゴーニュを堪能させてもらった。つくづく感謝である。ブルゴーニュのピノ・ノワールという共通点からは全くかけ離れた味わいの差は、つくづくブルゴーニュの楽しさを満喫させてくれる。ややもすると一段低く見られがちなランクのワインではあるが、造り手や場所の差がこんなにもあるとは驚きである。彼らの看板ワインは高くてそうそう飲めないが、このクラスのワインなら飲める。そして楽しめる。 このクラスのワインのおいしさを解らせてくれた美人講師にあらためて大感謝である。 以上 |