ドミニク・ローラン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2005年03月26日 | |||||||||||||||||||||||
<ブルゴーニュ no.1> 室温にて抜栓し、すぐINAOグラスへ。褐色系の熟成感たっぷりの色合い。ロースト香、鰹節、干しイチヂクがボワッという感じで鼻腔を刺激し、とてもいい感じである。口に含めば、果実味を僅かに感じる絶妙な熟成具合で、程よい酸味と意外とあるミネラル感に心奪われながら、力強さは全く持たない繊細な姿が浮かび上がる。どこかをボコッと押しただけで全体像が崩壊しそうなほどの弱々しさを持ちながら、余韻もそこそこあり、こんな味わいに遭遇すると早飲み派には分も悪くなるというもの。しかし、一方で時間と共にミネラル感が磯っぽい、海草系の香りに変化し、この香りは幾分好みを分けそうな気配を感じつつ、ストンと味わいも落ち気味で、このワインは抜栓直後の数10分以内に大いに楽しむ方が得策だろう。 それにしてもこの熟成感は、何物にも変えがたい不思議な魅力を持っている。恐るべし時の歳月。恐るべし1995年。しかし、もう出会うこともなさそうなのが、またよしである。 おしまい |