エマニュエル・ルジェ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2005年03月26日 | |||||||||||||||||||||||
<ブルゴーニュ> 抜栓後すぐにINAOグラスへ。熟成感を伴った美しいルビー色。香りにはパワーがあり、カシスやベリーなど果実味と干しイチヂクやロースト香、なめし皮などの熟成感が複雑に入り乱れ、全体の表情を大胆に見せつけてくる。口に含めば、かなりのうまみ。グリップ感を伴ったパワフルな味わいは、このクラスを飛び越えていて、なんともリッチな感じである。木目の細やかさという点では、一歩譲る面もあるにはあるが、このミネラルでうまみに長けた味わいは、特筆すべき味わいであろう。余韻も長めで、ハイインパクトゆえに、飲み手の心を一気に鷲掴みする可能性もあり、ルジェのワインは高値で取引されるのも、止むを得ないかと複雑な思いにも駆られる。 ブルゴーニュというクラスを、9年の歳月を掛けて熟成させるとき、これほどまでの魅力を持つのかと思うと、出会ったときが飲み頃を信条とする早飲み派には、かなり分も悪くなりがちだが、果実味ベースの味わいと、枯れ行く熟成モードの中間に出会えた喜びに浸りつつ、そういえばもうこのワインに出会う可能性が低いことに気がついたりもする。ワインは出会ったときが飲み頃・・・。まさに今宵出会えたのだから、これ以上の喜びはないのかもしれない。 ルジェの1996のブルゴーニュ・・・今、かなりうまい。 以上 |