シャルロパン・パリゾ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2005年05月28日 | |||||||||||||||||||||||
<ジュブレ・シャンベルタン テール・ブランシュ> 抜栓後私だけすぐにINAOグラスへ。照りのいルビー色は、それほど濃くなく、うつくしい色合い。香は全く閉じていて、明らかにこの時期に抜栓されたのを頑なに拒んでいる印象。しかも味も素っ気のない味わいになっていて、これは久しぶりにやってしまったモードに突入する。そこで、デカンタージュを試みて、都合3時間ほど待ってみた。するとどうだろう。あれほどまでに閉ざされた味わいは、ようやく観念した風で、蕾が緩くなっている状態にまで生長していた。口に含めば、ストイックで筋肉質的な味わいで、ぼってりとした肉質とは無縁な、鍛え上げられた構造を持ち、極めて男性的ながら、そこにフィネスを持っているところがすばらしくもある。ミネラル感を伴っていて、ジュブレ・シャンベルタンにありがちな野暮ったさはなく、とてもエレガントな味わいである。黒系果実に若干の鉄サビっぽさと樽香が乗りつつも、時間と共に焦がした風味も出て、久しぶりに緊張感のあるピノ・ノワールと対面したような、そんなうれしさが込み上げてくるから不思議だ。派手さはなく、あくまでも筋肉質を貫くところもまたたのしである。ただ幾分アルコール感を強くもつので、酒っぽさの傾向を思いつつ、それはそれで個性のひとつなのだと思われる。 うまいですね。ただ抜栓方法とタイミングが難しく、持ちうる筋肉質をいかにほぐすかに飲みどころはあるように思われる。その筋肉質なジュブレ・シャンベルタンに挑むのもまた楽し、である。 以上 |