ベルナール・デュガ・ピィ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2005年06月19日 | |||||||||||||||||||||||
<ムルソー> 抜栓後すぐにINAOグラスへ。濃い目の黄金色。香は、ポマール同様迫力があり、燻したヘーゼルナッツとハチミツと塩入バター香が強烈な勢いでもってあふれ出してくる。この勢いは、率直にすごいというべきだろう。口に含めば、香そのままのハイインパクトな味わいで、どうしても酸の少なさは否定しにくいものの、男性的で、ヴワッとくるボリューム感があり、これぞムルソーという典型的な味わいが印象に残ったりもする。この味わいに最も近いのは、ドーブネのムルソーあたりになりそうだが、酸の少なさと気持ち酸のバランスが取れていないところから推測するに、早くに飲んで楽しもう系のワインかもしれない。余韻はハイインパクトな割には、それほど長くはなく、しかし2003年という酷暑の年に、良くぞここまでのワインを、自身初めての白ワインのはずなのに、造り上げるところに、赤ワインで天下をとった男の実力を垣間見た気もするのである。 2003年が初ビンテージにして、デュガ・ピィ初の白ワインであるムルソーは、ジュブレ・シャンベルタン好きには、まずはこのムルソーでもってブルゴーニュを体感し、いよいよジュブレ・シャンベルタンへというワインの流れ的にはほぼ完璧な道筋を確保でき、その意味からも、王道的なワインであるかもしれない。異常気象の2003年をしてデュガピィの白ワインの実力をはかることは出来ないが、翌2004年には、シャサーニュ・モンラシェの白もラインナップされるので、2004年を飲んでいろいろと判断したいと思ったりもする。 ジュブレからムルソーまでの長い道のり・・・。功と出るか否と出るか。 今宵、2003年のムルソーを飲む限りは、デュガ・ピィの卓越した醸造技術を確認しつつ、ライバルはドーブネを意識させつつ、初ビンテージの村名なのに、すでに一万円を軽くオーバーするコストパフォーマンスの悪さに関心も遠ざかりがちだが、ドーブネよりも安いといえば安いので、その意味においては、目を離してはいけないワインかもしれない。 おしまい |