デュジャック
試飲日 2001年3月25日
場 所    神奈川県内某所       
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ産AOCワイン
生産者 Domaine DUJAC (Morey-St-Denis)
Vintage 1997
テーマ デュジャック登場。
ワイン MOREY SAINT DENIS
 

<味わい>
 茶が薄く染まった赤系のルビー色。いともやさしい色合いである。イチゴのつぶつぶした食感をそのままお酒にしたような趣のある味わい。繊細で上品でエレガント。やさしさを感じる極上のピノ・ノワールである。口に含めばうまみ成分を充分堪能して、喉を通過する頃にはすうっと落ちていく感じ。あっさりしていて、くどくない。これはおいしい。これぞピノノワール。これぞ極上。村名格にしてこの味わいは断然お得である。大変おいしくいただきました。私の周りにはデュジャックファンが多いが、なるほど私もその仲間に完全に入っているぞ。
 このモレ・サン・ドニは隠れた名品である。この村の特級と一級を村名畑とブレンドして造られている。なるほど。素性のよさが味わいに出ている。
 2001年2月デュジャックセラー蔵出し


<デュジャーク>
 ジャック・セイスにより営まれるブルゴーニュ屈指のドメーヌである。造られるワインは赤系果実味をメインに上品でエレガントなワインの代表格である。特級は5つ。シャルム・シャンベルタン、ボンヌ・マール、クロ・ド・ラ・ロシュ、クロ・サン・ドニ、エシェゾーである。どれも高値で取引され、世界中に熱烈なファンを持つ。男一代にして屈指のドメーヌまで築き上げたセイスはヴォルネイの名手ドメーヌ・ド・ラ・プスドールで修行し、父から受け継いだ製菓会社を売却し、モレサンドニのドメーヌ・グライエを買収して今日に至っている。彼の評価は評論家によって差がありすぎることでも有名である。


<おまけ>
 今回のワインは1ヶ月前にも試飲している。場所は初台のフレンチ「キノシタ」。このワインの実力はそのとき知ったが、料理との相性がすばらしすぎて、ワイン単独としての評価はできなかった。前菜にトマトを使った酸味のきいた料理と合わせたのだが、それはまさにワインは料理と共に、を地で行くようなすばらしさ。ワインの基調は今回と同様に思われるが、料理の酸味にあわせてすうっとワインが降りてくるような、ゆとりのある味わい。ワイン単独では強くて飲めなかった友人も、料理とあわせるとすいすい飲める。不思議な印象であった。お酒が飲めない人でもデュジャックのモレ・サン・ドニ1997なら飲める。そしてワインと料理を楽しめる。偉大なワインの懐の深さを思い知る貴重な経験であった。感謝である。
 なおキノシタといえば日本で最も予約の取れない店として有名だが、最近は敢えて予約を取りやすくしているという。是非お試しいただきたい名店である。ワインリストを眺めれば充実したブルゴーニュワインが、その出番を待っていてくれる。八百屋の親父みたいなご主人が料理とワインについて熱っぽく語ってくれる時、男としての美学を感じる。

以上


目次へ    HOME

Copyright (C) 2001 Yuji Nishikata All Rights Reserved.