ビネール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2006年01月16日 | |||||||||||||||||||||||
<アルザス・ピノ・ノワール> 室温になじませつつ、抜栓後すぐにロブマイヤー・バレリーナ・ブルゴーニュグラスへ。色合いは大変薄く、オレンジ色がかかり、エッジの透明感の広さが印象的で、それよりも照り焼きの「照り具合」とも表現したい、いとおしいほどの不思議なタッチである。香は熟成感を伴った果実香が印象的で、とても穏やかな香立ちが好印象だ。口に含めば、思わずうまいと、うなってしまうほどの梅鰹系のやさしい味わい。これは、まさにお出汁としか言いようのない和の道に通じる味わいで、なんだかとても癒される味わいである。 これはうまい。 そして驚いたことに、ロブマイヤーとの相性はほぼ完璧で、恐ろしく丸く、照りのある球体は、こじんまりとしながらも、そのこじんまり感がたいそういとおしく、このグラスを持って、このワインの素性のすばらしさを思い知るほどである。このグラスは、最高のワインを最高に表現する一方で、粗暴なワインの粗を露呈してしまうことで、その選択は難しさを極めるが、このアルザスのピノノワールの10年の熟成を美しく表現するには、最高のグラスであると思ったりもする。 Jリーガーの某氏をして「ワインは、アルザス系、それも自然派に限る」を証明するかのようなゆったりとした味わいは、天麩羅との相性も抜群で、ゆっくりと味わいたい反面、するりするりと喉もとを通り過ぎていく様は、かなりのあっけなさで、しかしそれは永い余韻に包まれながら、至福の時に体を預けるばかりなのである。 うまいなあ。 おしまい | |||||||||||||||||||||||