ラモネ(白)
試飲日 2001年3月31日
場 所    神奈川県内某所
照 明 白熱灯
種 類 フランス ブルゴーニュ産AOCワイン
生産者 Domaine RAMONET (Chassagne-Montrachet)
Vintage 1998
テーマ ラモネの白は驚くほどうまい。
ワイン Batard-Montrachet
 

<飲み方>
 3月も今日で終り、桜も満開だというのに雪が舞う生憎の天候。されど今回もおいしいワインに出会えた。感謝であり、感激でもある。久しぶりに馴染みの天婦羅屋さんにワインを持ち込ませてもらって、世界一の天婦羅と共に堪能させていただいた。グラスはお店の一般的なワイングラスを使わせていただいた。このレポートでは基本的にINAOグラスでテイスティングしているため、今回のコメントは若干公平さに欠けるが、そもそもワインが食中酒であり、料理あってこその立場を考えれば、それは些細なことであるように思われる。まずはお店のご好意によりカラフェに注ぎ、残り半分はボトルから直接いただいた。京風の天婦羅との相性もばっちりで、素敵な夕べとあいなった。そんな至福の時を共有させていただいた友にもこの場を借りて大いに感謝の気持ちを伝えたい。


<味の印象>
 黄色に近い金色にまず驚かされる。飲む前からラモネの極上ワインが注がれた事実をずしりと実感させる重層感のある風情。香は開口型のグラスの影響を受けほとんど感じられなかった。バター香が奥に潜み、燻し香は感じられなかった。しかし香が飛ぶ構造のグラスにして、そのハンデを味わいそのものが圧倒的なパワーをもってカバーしてくれた。ブラボーと叫んでからゆっくりテイスティング。辛口白ワインの王道を突き進む絵に描いたようなワインである。
 まずはカラフェを通してテイスティング。想定以上に空気に触れたためか口当たりがよろしい。熟した洋ナシを感じる程よい甘味と端正な酸味。ふくよかにして、きりりと締まった味わい。室温での試飲はこのワインの絶頂を先取りしたようで、芳醇さが五感を強烈に刺激してくる。うまい。うますぎる。完璧なおいしさ。世界一の天婦羅との相性のよさも意外だ。天婦羅がワインに負けていない。ワインも天婦羅の邪魔をしない。驚きだ。
 次にボトルから。うう。これは強烈な果実酸を感じる。硬い。深い。重い。この差にも驚きを感じ得ない。空気の触れ具合によってこんなにも味わいが違うとは、ビックリ仰天である。この強い酸は長熟を思い描かせる。飲み頃は10年先いや20年先かもしれない。深く、ずしりとした酸は圧倒的である。これほどの白ワインはそう滅多にあるものではない。さすがは世界の大名醸家の造る偉大なワインである。あまりのおいしさにグラスに残ったワインを少しずつ頂くが、途中でへたることもなく、最後までその力強さを表現してくれた。極上の冠は、このワインのためにあると信じて止まない。
 神奈川県内某店には数本入荷したようだが、あっという間に完売してしまった。もう会えないかと思いきや、きっとまた出会えることを信じて日々精進しよう。

以上


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