オスピス・ド・ボーヌ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2006年04月14日 | |||||||||||||||||||||||
<マジ・シャンベルタン マドレーヌ・コリニョン> このワインは、東京のワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン(ADV)がクロード・デュガのネゴシアン会社であるジブリオットを介して、オスピス・ド・ボーヌで落札し、ジブリオットが熟成・瓶詰めを担当したワイン。で、今回はいろいろあって早くも2004年のマグナムボトルを抜栓してしまった。 抜栓後すぐダブルデカンタをして、2時間後にロブマイヤー・バレリーナ・グラスVへ。色合いはさすがに濃いルビー色。黒系果実をベースにハーブ様の香が特徴で、ほんのりと乗ったバニラ香に、黒系のスパイスや甘草系の穏やかな香立ちが重なっている。口に含めば、媚びない果実本来の甘さを感じ、ストイックなまでに硬質な味わいが特徴的。きわめてドライな味わいは、一見愛想がないが、しかし奥行きのあるしっかりとした構造と、強いミネラル感が、直線的な奥深さを表現し、とても深遠なワインの印象を受ける。口に入れた瞬間の頑ななまでの地味さ加減とは裏腹に、口の中での滞空時間が長いほどにうまみが増し、そしてそれは途方もないワインへとつながっていく。 こけぞグラン・クリュの風格であり、大衆受けを狙うのではなく、本質を知る人間にだけ理解されれば、それで由と、ワインが語っているような感覚も面白い。本来ならば、20年後を想定しているようにも思えるが、まあ今宵飲んでこれだけおいしいので、それはやむを得ないというところだろう。 またハーブ様の香が印象的で、ソースの甘みに合わせるのではなく、肉本来のうまみとの相性がよさ気で、ローズマリーなどと焼いた肉との調和も面白かったりする。 このワインは、しかしデュガ節を連想させる。栽培からアルコール発酵、新樽熟成までをオスピス・ド・ボーヌで過ごした後、デュガのセラーで樽熟成を経たワインで、ワイン造りの後半部分にしかデュガはタッチしていないのだが、それでもデュガ節を彷彿とさせる実力と表現力に脱帽かもしれない。 そして2004年のジュブレ・シャンベルタンは、個人的にかなり好みの味わいになっているので、ここはひとつ2005年の陰に隠れがちなビンテージではあるが、個人的に注目してみたいと思ったりするのだった。しかしデュガはうまいが、やはり高いなあ・・・。 おしまい | |||||||||||||||||||||||