ユベール・リニエ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年4月8日 | |||||||||||||||||||||||
<味わい> 抜栓後10分でINAOグラスへ。黒系の果実味果実香。深く、より深い色合い。熟した甘い果実味がとても豊かである。奥に乾いたチョコレートを感じ、圧倒的な力強さを秘めている。うまい。これはすごい。おそらく今世紀最大級のうまさ。飲みながら背筋がぞくぞくし、骨の髄が軋む。少し遅れて皮膚をつかさどる細胞がその向きを変えてきた。うっすらと涙も浮かべつつ、このワインに出会えた感動が体全身に漲ってくる。これは泣ける。重厚にして繊細。芳醇にして上品。激しくも滑らかな舌触り。渋み・酸味・うまみのバランスがすばらしく、透明感すら感じる統一感が恐ろしいほどの感激をもたらしてくる。 過去に幾度となくモレ・サン・ドニのワインを堪能させてもらったが、間違いなくトップに君臨する堂々たる存在感。大感激は留まるところを知らず、ポマールグラスに注がれたもう一杯をいただく頃には、すっかり陶酔しきっていた。感謝である。そして某店にある数本のワインを全て買い占めるために、全ての資金を集中させたい。このワインを飲まずしてリニエの言葉は伝わらない。まさにブルゴーニュの醍醐味。このワインに出会うために幾本もの銘醸を・・・そんな感激に大感謝である。 <ユベール・リニエ> モレ・サン・ドニを代表する偉大なドメーヌ。ユベール・リニエと息子のロマンによって営まれ、その名声はブルゴーニュを越えて世界に轟いている。トップワインは特級クロ・ド・ラ・ロシュとシャルム・シャンベルタン。モレ・サン・ドニ、ジュブレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニから偉大なワインを造りだしている。親子はマスコミへの露出度も高く、旅名人ブックス(日経BP)のブルゴーニュでは堂々と表紙を飾っている。 このドメーヌの特徴は、草っぽさを感じつつ果実味が深く印象が強く残るワインを造ることである。今回のワイン(1級の古木)もまさにその通りの味わいである。ついでながらドメーヌ・ジュルジュ・リニエとは従兄弟であるが、違うドメーヌである。 以上 |