ボノー・デュ・マルトレ
試飲日 2001年4月15日
場 所    神奈川県内某所       
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ産AOCワイン
生産者 Domaine BONNEAU du MARTROY
 (Pernand-Vergelesses)
Vintage 1998
テーマ コルトン・シャルルマーニュ
ワイン Corton-Charlemagne
 

<味わい>
 硬い。かたい。難い。燦然と金色に輝くこのブルゴーニュ特級白ワインは頑なに今飲まれることを拒んでいる。恐ろしいほどに長熟タイプをアピールしてくる。言葉は悪いが、ヒーヒーするほどの強さ。香りにはこの特級特有のマロン香は感じられないが、ほのかに硫黄香を感じる。おそらく数年後この硫黄が極上のマロンに変身するのだろう。にがみを持つ味わいは出来たてのワインゆえだが、コルトン・シャルルマーニュのもつ力強さを堂々と現してくるところは脱帽に値する。濃くって強い偉大なワインである。
 うまい。しかしまだ早い。そんな表現がぴったりとするワインである。このワインの持つ実力を飲み手が感じるまでには相当の年月が必要であり、果たしてその時を待つ余裕がもてるか否かが問われるところでもある。ボノー・デュ・マルトレは1995年以降評価を上げているという。つまりは、世界中の誰もがこの造り手の真の飲み頃を知らないのである。おおお。そうきたか。すごい造り手である。是非一本欲しい。しかし10年待つ間に触手が反応するワインがコルトンの丘には多すぎる。待つためには資金とスペースが必要だ。待つべきか他の極上白ワインに浮気すべきか、悩ましい夜がしばらく続きそうである。だぶん、指をくわえるだけに終わりそうだが・・・。


<ボノー・デュ・マルトレ>
 このドメーヌの当主は建築家でもあるジャン・シャルル・ド・ラ・モリニエールである。ロバート・パーカーの著書によれば週末はパリに住み、ブルゴーニュとの二重生活を送っているという。所沢と湘南を行き来する人間を私は知っているが、距離的には同じような感覚だろう。ワインはこのコルトン・シャルルマーニュ(所有する畑は8haと広い)と、隣接するコルトンの赤を生産しているが、その評価は当然コルトン・シャルルマーニュに注目が集まっている。
 このコルトン・シャルルマーニュは1万円オーバーであるが、ある意味お買い得かもしれない。評価の高いほかの造り手より安いためであり、その味わい自体は彼らに匹敵する個性を持っているためである。そして何よりコシュ・デュリー、ドメーヌ・ルロワ、ジョルジュ・ルーミエ、フェブレイ、ルイ・ラトゥール、トロボーなどコルトン・シャルルマーニュの偉大な造り手と肩を並べているのだから。ちなみにマット・クレーマーはコルトン・シャルルマーニュの造り手の筆頭格として紹介している。

以上


目次へ    HOME

Copyright (C) 2001 Yuji Nishikata All Rights Reserved.