アミオ・セルヴェル
試飲日 2001年4月22日
場 所    神奈川県内某所       
照 明 蛍光灯
種 類 フランス AOCワイン
生産者 Domaine Amiot-Servelle (Chambolle-Musigny)
Vintage 1996
テーマ 幻のクロ・ヴージョ
ワイン Clos Vougeot
 

<味の印象>
 抜栓後1時間待つ。この待ち時間も楽しいひと時である。色合いには赤系を基調とした黒系の深みがある。目に沁みる、とまではいかないがニッキの甘さが心地よい。黒糖の甘さというべきだろうか。時間と共に乾いたチョコレート香も見え隠れしてくる。キャラメル香もあり、この香は特徴づけにくいクロ・ド・ヴージョの特徴でもある。
 味わいは大人の風味。心地よい渋みがうまみ成分を抱え込んだような印象を受ける。エレガントで濃縮したふくよかさは飲み手を大いに満足させてくれるが、同じ年のドメーヌ・シャン・ジャック・コンフュロン(JJC)のクロ・ド・ヴージョのような解りやすさはない(ドリンキング・レポート参照)。ブルゴーニュを知るものこそが、この味の真の実力を堪能できるのかもしれない。そしてその存在自体に感動するのかもしれない。出会えた悦びとその高品質に、である。一般受けはしないが、通心をくすぐる偉大なワインである。 
 このワインはまだ飲み頃に達していないのかもしれない。5年の歳月ではまだ懐を閉ざしているのかもしれない。今でも大変おいしいワインであるが、この先はもっとおいしいのだろうと想像するのは難しいことではない。このワインの飲み頃をロバート・パーカーは2000-2005としている。あと4年で飲みきるにはもったいないだろう。この感覚の違いは洋の東西の違いからなのか、私の未熟さゆえなのか(贔屓目に見てもこっち)。パーカーとの味覚の格差を知ることも楽しいひと時である。

 パーカーズ・ポイント 90-92+
 スティーヴン・タイザ 90(+?)


<アミオ・セルヴェル>
 フランス三ッ星レストランの定番中の定番で、看板ワインのほとんどがレストランに買い占められている。日本で見かけることは奇跡に近い。まさに試飲できた奇跡に感謝である。当主のクリスチャン・アミオはセルブェル家に婿養子に入ったとのこと。そのあたりの記事はワイナートのシャンボール特集に詳しい。看板ワインはこのクロ・ド・ヴージョとシャンボール・ミュジニー1級レザムルーズ。シャンボール・ミュジニー村の栽培者組合理事長としてこの村の品質向上の立役者である。

以上


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