ジャン・ガローデ 1999 | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年6月10日など | |||||||||||||||||||||||
<モンテリー>
温かみのある甘い土壌香が絶妙である。華やかさも持ち合わせ、この甘いアロマはジャン・ガローデ節と呼ぶのにふさわしい。この甘いアロマは、初めてブルゴーニュを飲む人には非常に説明がしやすい。ブルゴーニュはここから始まる。そんなわかりやすさがあり、それでいて、いつ味わっても楽しいひとときを感じられる。黒系を感じるルビー色はジャン・ガローデにはなじみが薄いという説もあるが、コート・ド・ボーヌらしいと言えなくもない。 味わいには適度な重みを感じる。モンテリーというACを意識して飲むとこの重みは意外である。特級を持たない南のACにして、このずしりとした感触が楽しめるとは、意表を突かれた感激である。 このワインはワックスシーリングされた特別キュベである。このワインに長期保存を可能にするワックスシーリングを施すことで、ジャン・ガローデの意気込みと思い入れを感じることができる。しかもその意気込みがワインに反映されていて、なんとも心地よい。おいしいのだ。通常のキャップシール版とはまったく趣を変えている。その偉大さはコートドニュイの一級クラスを飲んだ後でさえ感じうるから驚きである。そんな意気込みを2001年の今日飲んでしまうのは気が引けなくもないが、おいしいワインゆえ我慢できないから致し方ない。 いくつものワインを飲み比べるとき、格付けの高いワインをラストに持ってくるのが普通である。アルコールを飲む時は、その特性から飲むごとに強く、濃い酒が好まれるためであり、格付けがあがることはすなわち、強さと上品さを伴うことを意味するからである。つまりは地方名ワイン・地区名ワイン・村名ワイン・一級ワイン・特級ワインの順番が飲み手の欲望を満足させるのだ。テーマを決めたり、酔う前に偉大なワインを味わいたいときは逆もありえるが、ACの特徴を踏まえて飲まないと、尻つぼみのパーティになりかねないから注意が必要だったりする。 このモンテリーはそんな常識を覆すほどの力強さを持っている。十分酉を飾れるワインである。モンテリーを最後に飲むなんてワインの一般論から外れているが、ジャン・ガローデの実力と意気込みを知る者には、なんら不思議なことではない。こんなうまいワインは何本も飲みたいぞ。 <モンテリー> コート・ド・ボーヌでも地味な存在は否めない。特級はないが、一級畑はある。またモンテリーとしても、コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュとしても名乗ることができる。単独のACモンテリーを名乗るワインは場所のこだわりが感じられるし、偉大な造り手も名を連ねているから、造り手で選べばお買得かもしれない。場所はヴォルネィの横にあり、ムルソーの脇にある。トップワインはこのジャン・ガローデとなんといっても白の王者ドメーヌ・コシュデュリーであろう。コント・ラフォンも造っているらしいので、探してみたいこの頃である。 以上 |