第四回 in 浜松

日 時 2003327()

時 間 18:30-21:30

場 所 ワインルーム アーベントさん(Special Thanks)
      静岡県浜松市肴町322-1ぬい屋ビル4F
      Tel. 053-456-5601         

主 題 女性的なブルゴーニュワインの偉大なる魅力に迫る。

参 加 素敵な20名さま

案内役 にしかたゆうじ


 浜松ワインセミナーを3月27日に行いました。世界一のワイン産地・フランス・ブルゴーニュ地方の大銘醸ワインを大いに楽しんで頂こうというこの企画も早いもので第四回目。某氏を初め浜松の皆様には大変お世話になり感謝申し上げます。今回もちょっとリッチで素敵な夜をご案内出来ていれば幸いです。

ワインリスト
ワイン 造り手
1999 プィィ・フュイッセ トラディショナル
2000 ムルソー
1998 ヴォルネイ1級クロ・デ・シェーヌ
2000 特級クロ・ド・ラ・ロッシュ
2000 特級クロ・ド・ラ・ロッシュ キュベ・ルーチェ
1995 特級クロ・ド・ヴージョ
1995 マコン・クレッセ キュベ・ボトリティス
ドメーヌ・ヴァレット
ドメーヌ・コシュ・ビゾール(コシュデュリの従兄弟)
ドメーヌ・ミッシェル・ラファルジュ
ドメーヌ・ミッシェル・マニャン
ドメーヌ・ユベール・リニエ
ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ

ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン
味わい
ワインは二本ずつ用意し、アーベントさんの小野ソムリエによってサービスされた。

1999 プィィ・フュイッセ トラディショナル
 抜栓して30分後にサービス。燻したナッツがボリューム感を持って香り、濃縮したエキスが印象的。よく言えばハイ・インパクト、悪く言えば、ずんぐりむっくりでケバクなりがちな味わいになりやすいと思われたが、さすがはマコネを代表する造り手のヴァレットだ。上品にまとめる匠がすばらしい。辛口なのに、全体に甘いテースト感が不思議でもある。マコネ地区のワインの評価を確実に押し上げる一本だろう。


2000 ムルソー
 抜栓して30分後にサービス。同じシャルドネとは思えない、バター香が上品に充満した香りは、白桃系のやさしいニュアンスを持ちつつも、硬くきりりと締まった酸が、全体のポテンシャルを引き上げる。ミネラルをしっかり感じる味わいに、育ちのよさが加わって、名作ムルソーの予感だ。この上品な味わいは、天才ジャン・フランソワ・コシュの従兄弟としてではなく、独立したドメーヌとして俄然注目に値する。今度一本とことん付き合ってみたいと思う。一本まるまる対峙したいワインである。推定かなりの超熟タイプ。でも今でもかなりおいしい。


1998 ヴォルネイ1級クロ・デ・シェーヌ
 抜栓後すぐサービス。今回のラインナップでは一番残念な味わい。タンニンと酸がバラケテいて、本来の味わいはついぞ見られなかった。不本意ながら、ほんとすんませんである。


2000 特級クロ・ド・ラ・ロッシュ
 抜栓後1時間待ってサービス。裏ごししたような濃縮した果実味がどしりと構えていて、グランクリュの実力差を意識せざるを得ない。タンニンは丸みを帯びていて、複雑な構造も持ち合わせている。うまみ成分もたっぷりのっていて、ピノ・ノワール・ワールド全開である。名作であるが、しかし、何かが足りない。何が足りないかは、次のワインを飲んだときに分かったりするから辛くもあり、面白くもある。


2000 特級クロ・ド・ラ・ロッシュ キュベ・ルーチェ
 抜栓後1時間待ってサービス。巷では流通していないCuvee Lucie。奥さんの名をいれた超スペシャルキュベだ。なぜここにそれがあるのか不思議だが、現実にあるのだからしょうがない(ちょっと自慢モード。甲府セミナーも同じキュベ)。華やかで充実した果実味が、極めて優雅。限りなく球体に近い味わいは、少し弾力性があり、ぽっちゃりタイプながら、断然すばらしい。酸、タンニン、アルコール感のバランスが非常にすばらしく、より豊かに、より華やかに、よりしなやかである。マニャンのそれと決定的な違うのは、このエレガントさ。ここに3倍もの価格差が生じるのだろう。ある意味やむを得なかったりもする。(マニャンはマニャンですばらしく、彼のワインの上にリニエの一本があったという感じである)。偉大である。このワインがブルゴーニュ魂的には、涙が出てくるワインであり、鳥肌が立つワインであり、全身の細胞がくるくる回転するワインである。間違いなく世界の頂点に君臨しうるワイン。今回のラインナップの中でもとりわけ大絶賛を浴び、この喜びを共有できて、かなり幸せである。感謝。


1995 特級クロ・ド・ヴージョ
 デカンタしてサービス。前二作が女性的で華やかな味わいだったのと一転して、男性的な味わい。例えるならば、農家のおやじさんが畑仕事を終えて、地べたにどっしりとしゃがんで、奥さんの愛妻弁当を広げつつ、見上げた空は晴天だったような、そんな印象であり、土のニュアンスと男の汗のニュアンスがある。(余計に混乱する比喩かも)。いずれにしても1996年ビンテージをもって生産が終了した貴重なワインにして、今後出会うことはなさそうなのが、ちょっと寂しい。


1995 マコン・クレッセ キュベ・ボトリティス

 これだけ一本。抜栓後20脚のグラスを並べ均等に注ぐ。シャルドネ100%にして100%貴腐ワイン。ハーブのようなニュアンスを持ち、極々甘い味わいながら、酸もあるので引き締まった味わいが印象的。「お菓子みたい」の感想も聞かれた。当主のジャン・テヴネ氏の優しいながらも自慢に満ちた瞳を思い出し、個人的に感慨深かった。マコネ地区から始まったワインセミナーが、マコネ地区の貴腐で終わる。いいぞ。


まとめ
 ブルゴーニュのリッチで官能的な夜を共感できた喜びに改めて感謝であり、隣の部屋のちょっとしたハプニングも、ほんとすんませんと思いつつ、次回も違った切り口で、ブルゴーニュ魂をお伝えできれば幸いである。

次回は、5月22日(木)の予定です。


以上




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