今回届いたロバート M.パーカーJr 氏のThe WINE ADVOCATEには小冊子の付録がついていた。昨年発行された133号から138号までのワインについてパーカーズポイントだけを列挙したものだ。アルファベット順にワインの得点がずらりと並んでいて、非常に便利な付録になっている。パーカーについてはいろいろあるが、今回の小冊子を眺めた感想をひとつ二つ並べてみたい。
ワイン産地は16個所に及び内訳は、アルザス、オーストラリア、ボジョレー、ボルドー(赤)(白)、ブルゴーニュ(赤)(白)、カリフォルニアのジンファンデル、イタリア、ラングドック・ルーション、オレゴン、ローヌ、南アフリカ、スペイン、ワシントン、その他だ。ビンテージは産地によって異なるが、概ね1998
1999 2000を対象としている。100点満点の評価で、96点-100点をExtraordinary、90点-95点をOutstandingとして称えている。
<お気に入りの産地>
いわゆる100点満点を連発している産地は、ローヌ、ボルドー、オーストラリアで、どの産地も濃くって強いワイン産地である。確かに1998年のローヌと2000年のボルドーはグレイトビンテージだが、ここまであからさまに他の産地と差があると、パーカーのお気に入りの産地として念頭に置くだけでいいかもしれない。彼には彼の好みがあり、明らかに違うんだと認識できたりする。ただパーカーズポイントの市場への影響力を考えると、単純に好みの問題で片付けられないから辛いところだ。
<ブルゴーニュについて>
気になるブルゴーニュはぱっと見で90点前後。100点のワインは無い。他の産地に比べやたら低く押さえられている印象も拭い切れない。ギャファン・エイナンなどの濃くってインパクトのあるタイプが高得点をマークしている。ブルゴーニュの場合は絶対数が少ないので、パーカーズポイントが低くても、価格が下がらないところが辛い。例えばドーブネの点は不当に低いが、価格はとびきりであったりする。そしてブルゴーニュはパーカー自身がコメントを書いていないことも考慮に値する。ともかくブルゴーニュの中で幾つか気になる点をあげると、、、。ちなみにビンテージは赤が1999だけ、白は1999と2000が中心だ。
1.DRCについて
ロマネ・コンティを筆頭に特級ワインしか造らないドメーヌだが、なぜか1999はヴォーヌ・ロマネ一級が90-92+の評価を得ている。このドメーヌがこのアペラシオンに1級畑を持っていることは有名だが、すべてネゴシアンに売却しているはず。1999だけ例外的にリリースするのだろうか。この年は豊作だったため、ラターシュと一級を混ぜたりしてリリースしたりするのだろうか。興味は深まるが、きっと高いんだろうなと半ばあきらめ顔だったりする。少し情報を集めてみたい。そしていつの日か自身所有するバタール・モンラッシェも発売されたりするのだろうか。
2.ドニ・モルテについて
紹介されていないのは、弟子すらも出入り禁止になったか単純なリスト漏れが原因だろうか。
3.大御所系苦戦
ヴォグエ、デュジャーク、ルフレーブ、ラモネなど、トップドメーヌグループの苦戦が目に付く。ルロワさえもグレートビンテージにしては低く押さえられがちで、ルロワのトップ評価はコルトン・レナルドの97+。なんか腑に落ちなかったりするが、1999がコート・ド・ボーヌのほうがより偉大らしく、それを裏付けているのかもしれない。
4.ブルゴーニュまとめ
その他目に付くところでは、アンヌ・グロのリシュブールとジョセフ・ロティのグリヨットシャンベルタンの健闘が目立ち、デュガは特級以外はいまいちかな。デュガピィのヴォーヌ・ロマネVVはどんな味がするのだろう。某氏と飲みたいものだ。ペロ・ミノのシャンベルタンには得点の横に?がついているぞ。初ビンテージにして?か。ペロちゃんがんばれだ。メオ・カミュゼもぱっとしないが、コルトンは高得点だ。つらつら見ていてもなかなか興味深い。まあいずれにしても自分で飲んで確かめられればうれしい限りだ。
参照文献
The WINE ADVOCATE® Supplement to Issue 139 The 2002 Pocket Buying Guide and Index For Recommended Wines Contained in Issues 133-138
Robert M.Parker,Jr.'S
以上
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