うなぎとワイン  2003/07/24

 7月27日は土用の丑の日だ。今年は、NHK朝の連続テレビ小説「こころ」の舞台が鰻屋さんということもあってか、某老舗鰻屋サンも忙しいよと連絡が入ったりするこのごろだが、なぜだかちっとも暑くならない今年の夏に、鰻パワーも微妙にもてあまし気味だったりする。

 ところで、鰻に合わせるワインはなんだろうかと思う。個人的には、自然派系の造り手のワインが合うように思われる。というのも、先日藤沢某所で頂いた鰻がドメーヌ・ドーヴネのブルゴーニュ・アリゴテ1999とバッチシだったからである。微妙な土臭さつながりと表現したい味わいは、鰻のうまみをグイッと引き出し、鰻もドーヴネの味わいを引き立てていた。しかし、ドーヴネのアリゴテは年間1000本あまりしか生産されておらず、超貴重品につきあまりお勧めするのもどうかと思う。また同じドーヴネのアリゴテでも新ビンが採用された2000年には華やかなクリーミーさがあるので、鰻のニュアンスとも少し違うように思われたりもする。

 そこで、枠を少し広げて、ビオディナミやビオロジーを実践する造り手のワインと合わせたくなる。彼らのワインに共通する抜栓直後の還元臭は、土っぽさを連想させるので、それが鰻の土のイメージと合致しそうだからである。ただ彼らの中には強烈な還元臭を放つワインも多々あるので、控えめ系のワインを探したくもなる。個人的には、フィリップ・パカレのACブルゴーニュ(赤)やポマールなどに合わせてみたいが、実際にはまだ試してないので、どんな按配だろうか。ちょっとウキウキはする。

 鰻の調理方法によってももちろん合わせるワインは変わってくるだろうが、来る土用の丑の日にどんなワインを飲もうか、今から週末が楽しみなこのごろである。(食べてばっかりだなあ・・・)


おしまい



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