新着ブルゴーニュ  2004/10/29
 先日、神奈川県の東海道線平塚駅西口の某店において極秘に開催されたブルゴーニュの新着試飲会に参加したので、紹介してみたい。この試飲会では、ワインの本当のおいしさに触れることができ、非常に貴重な経験だった。この場を借りてセンムに感謝である。とりあえず、忘れないようにここに仮置きして、いずれWINE DRINKING REPORTに移動しよう。グラスはリーデルのブルゴーニュ用で、抜栓後すぐ注ぎ、グラスは決して回さないのが、ブルゴーニュ魂・・・。基本です。

 
DUPONT-TISSERANDOT デュポン・ティスランド in ジュブレ・シャンベルタン
2002 ジュブレ・シャンベルタン 黒系果実ベースで、ジュブレらしい男性的な味わいが美味。幾分タニックさに荒さが目立つが、酸味とのバランスもよく、この村の特徴をつかむなら、ちょっといい感じ。
2002 ジュブレ・シャンベルタン1級カズティエ  リーデルに注いだ瞬間は、甘くカカオチックな黒系果実で、口に含んだ時の印象のドライな味わいと均整が取れておらず、むむむと思ったりするが、時間と共にカカオは消えて、端整な味わいへと変貌する。ワンテンポどころか8テンポほど遅れてやってくるうまみに戸惑いながら、カズティエが一級格付を得る理由を知るにはもってこい。余韻も長く、クラシックな余計な甘みを持たない果実実が好印象だ。
2002 特級マジ・シャンベルタン 黒系果実のズシリとした重みは、伝統的な男気のある味わいで、極めてドライ、極めて黒い味わいで、マジ・シャンベルタンのアペラシオンの定石を行く安心感のある味わい。余韻は、永遠的に長く、口に何かを入れるまで続くからすばらしい。ワインと真剣勝負で向き合うなら、トコトンそれに応えてくれる逸品。例えるならば、巨大な黒いピラミッドが、数ミリの誤差も違えずに、デンと目の前に存在するかのような、そんな重厚間と緻密さを兼ね備えた味わいだ。名作マジ・シャンベルタンである。
 
DARVIOT-PERRIN ダルヴィオ・ペラン in モンテリー
2001 シャサーニュ・モンラシェ
ラ・ベルジュリー 白
甘くトロピカリーな味わいは、太陽の光を燦燦と浴びた健康的な果実味に起因するものと思いつつ、思わず笑みもこぼれるというもの。バタール・モンラッシェにも似た装いは、レモンやハチミツ、トロピカルフルーツ、柑橘類などが、きれいな酸を伴って、心地よい。まさにハッピーワインの典型で、ただ甘いだけでない、要所要所をしっかりとミネラルと酸で締めてくるところがすばらしい。余韻も長めで、とても美味しいワインだ。
2001 シャサーニュ・モンラシェ1級
ブランショ・デスュ 白
モンラッシェ(しかもラフォン)とクリオ・バタール・モンラシェに接する三角地帯の畑で、一段低いがゆえに一級畑に格付されているのだろうと推測される超一等地。このワインはすばらしい。ハチミツ、トロピカルフルーツ、リンゴ、柑橘類、シナモン、カラメル、バター、白い花、マンゴーなどが、幾層にも重なって、ピエール・エルメのドゥー・ミルフィーユ(ミルフィーユの二倍の意)のあの感触わものすごく優しいタッチにまとめたような、そんな味わいを、体全身感じる時、昔体験した日常的なエピソードがなぜだかふと思い出され、甘く切ない思いと共に、頬に伝う一筋の涙を隠すのに、ちょっと照れくさくなるワインかもしれない。余韻も長く、ここまでモンラッシェの区画を広げてもよさそうな感じである。太陽の恵みを感じるふくよかでエレガントな味わいに、シャルドネのこの地での奇跡を感じ入る。名作です。
 
LOÏS DUFOULEUR ロイス・デュフルー in ボーヌ
2000 ボーヌ クロ・デュ・デ・スュ・デ・マルコネ 事前の情報によりかなり冷やしてサービス。一瞬80年代の古酒を飲んでいるかと思うような、熟成感に緊張が走る。うまい。もどり鰹を少し藁の火で燻したような、そんなニュアンスがたまらない。これは目が覚めるワインかもしれない。うまい。そして買い占める・・・。
 
造り手知らず (ていうか、まあ、その、いろいろです)
2001 ニュイ・サン・ジョルジュ アルジラ フィリップ・パカレの2001年ニュイ・サン・ジョルジュと同じ色合い、同じ味わいにして、初鰹系のニュアンスに、余韻がたっぷり乗るところが面白い。このワインの難しさは、その一瞬ごとに味わいを変えてくるところで、ワンテンポ遅れてやってくるうまみに慣れないと、ただ薄い味に終わりかねないかも。これぞ、メソッド・ジュール・ショベの味わいで、アラン・グイヨにも似たニュアンスがあるので、同門だなあと思わせる。
 
ジャン・ガローデ in ポマール ← 今年も定番ワインがやってきた
2002 ポマール・ノワゾン 実は、ポマールで眠るのコラムは、この畑のあたりが舞台。ジャンガローデのポマール・ノワゾンに魅了され続け早数年。2002年の美味しいポマールに大感謝だ。重心を下に置いたポッチャリ型のポマールで、黒系果実の趣に、昔ながらの職人の味わいを連想したりする。流行り廃りとは関係なく、先祖代々受け継がれたワイン造りを黙々とこなす姿をちょっと想像しつつ、おいしいのである。

 その他、数本あるものの、後日・・・。

 しかし、うまかったなあ。


おしまい


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