La Renaissence des Appellations  にしかたゆうじ
 2005年11月28日と29日に東京・浜松町で行われたLA RENAISSENCE des Appellations RETURN TO TERROIR 世界自然派ワイン生産者一挙集結 - 大試飲会 - に、某ワイナリーのスタッフとして参加した。(前日の27日には某インポータの試飲会兼パーティ?にも参加し28日の夜は別のインポータ主催の会で大いに飲んでしまったりした)

 これはこの大試飲会は、日本のワイン業界にとって大偉業であり、まずは関係各位にご尽力に感謝とすると共に、感想などをひとつふたつ。

 今回の試飲会は世界中のビオディナミ農法の実践者が一同に会し、生産者自らの説明による試飲会で、ワイン好きにはたまらないイベント。マダム・ルロワ コント・アルマン マルセル・ダイス ピエール・フリック ギィ・ボサール ニコラ・ジョリー サンソニエール フランソワーズ・ベデル ダビッド・レクラパール レオン・バラルなど毎度おなじみの生産者とともに彼等のワインを味わう時、自然派の魅力に嵌らずにはいられないのである。


 【マダム・ルロワ】
 会場左奥に陣取ったマダム・ルロワは、特級クロ・ド・ヴージョ、特級コルトン、ニュイサンジョルジュ1級ブド、そしてドーブネ名義のムルソー・ナルボーの4本を出品していた(ビンテージ失念)。ブースにはバラの花が飾られ、幾人かのボディガードによって彼女の周りには見事な見えない壁が構築されていた。写真撮影は禁止され、ボンジュール以外の会話も憚れるほどの特殊な雰囲気の中、来場者の立場を明言した後、インポータの担当者よりワインを注がれ、時には彼女自らのサービスによってワインを試飲した。さすがにルロワのブースには人だかりが凄く、その人気ぶりはダントツであった。ルロワの対応については、多様な感想が聞かれ、どの立場でその場に居合わせるかによって感想が大胆に違ってくるところが面白く、ワインを絶賛する人、酷評する人等々、なかなか面白い人間模様だったりした。一方で、日本のワイナリー2社のワインも試飲して、担当者に的確なアドバイスをしていた風景が印象的で、ルロワの存在感はこの会場でオーラを発していたことは間違いなさそうである。


 【A et P ド・ヴィレーヌ】
 残念ながら、オベール・ド・ヴィレーヌさん本人は来日されず、日本でのマダム・ルロワとの強烈なツーショットは実現せず、その点が残念だったが、甥っ子のピエール・ド・ブノワさんが接客され、二年前のドメーヌ訪問をしっかりと覚えてくれていて、再会を大いに楽しませていただいた。彼は、日本のワインへの興味も大変持っていて、甲州ワインと日本のシャルドネがフランスで買えないことを嘆きつつ、それぞれ自分のブズロン(アリゴテ)と交換して、仲間に紹介するよといってくれたりした。


 【コント・アルマン】
 若き天才醸造家ベンジャミン・ルルー氏本人が来日。去年の収穫を手伝った仲で、久しぶりの再会に感謝しつつ、何かというとこのブースに寄っては世間話などをさせてもらった。試飲会の後は、宇都宮、名古屋、大阪、福岡への移動があるようで、滞在中は忙しいとのこと。日本食も肌に合っているとのこと。ワインは2003年と2002年のポマール1級クロ・デ・ゼプノーと2003年のオーセイデュレス。2003年の赤は、やはり今とてもおいしいなあと思いつつ、このドメーヌで働く日本人スタッフの話で盛り上がったりした。


 【マルセル・ダイス】
 パリの空港が大雪のために閉鎖されていたようで、その到着が危ぶまれたダイスであるが、無事開始時間には間に合ったようで、まずはほっとしたりした。しかし、彼のワインは強烈にうまい。エキスの塊のようなワインは、アルザスの成功の証明でもあり、見た目に近寄りがたいオーラを発しつつ、とてもサンパな人柄が観客の多くを引き寄せていた。ダイスのワインは高いが、納得の味わいに、一気に心はアルザスへ、である。来年の訪問を約束しつつ、残りのワインを飲み干したりした。


 【ニコラ・ジョリー】
 彼の講演会に参加するも、前日の飲みすぎモードと当日の早起きの影響をもろに受けて、開始早々睡眠モードへ。彼がときどき発音するRacine(根)という単語がどうも耳に馴染みやすく、それは安眠へと誘うキーワードのように聞こえては、その講演慣れした話し振りは徐々に遠のいていくのだった。で、ワインは2003年のクレドセランを頂戴したが、定番の還元臭はなく、とてもおいしかったのが、意外というか、不思議というか、そのミネラルたっぷりの味わいは、心をよさぶったりしたのだった。記念撮影をお願いすると、ちょうどカメラのバッテリーが上がってしまい、撮影が不能になってしまった。それを見たニコラ・ジョリーの「な、マシンに頼っちゃいかんのだよ(原文フランス語)」の笑い顔が印象的だった。


 【フランソワーズ・ベデル】
 今回は親子で来日され、とても気品にあふれた仕草に共感。おいしいシャンパーニュは彼等の人となりをもろに反映していて、3つあるキュベの微妙な違いに喉を潤しつつ、ベデルの魅力を再確認したのだった。


 【ダヴッィド・レクラパール】
 3月の訪問以来の再会で、当日のパーティでも大いに飲みまくってしまった。彼はナイスな兄ちゃんで、女性の人気も相当なもののようで、記念撮影のシャッターを押す係をいろいろ頼まれてしまった。同じシャンパーニュのビオディナミでもジャック・セロスとは違うこだわりをみせるダヴィッドの魅力は、ワインに現われつつ、若き青年の志の高さと腰の低い対応に、ますます魅了されていくのだった。


以下工事中 2005/11/30

ご意見・ご感想は、こちらまでお願いします。
無断転載お断り
Copyright (C) 2005 Yuji Nishikata All Rights Reserved.


ドリンキングレポートへ ワインコラムへ  HOME

Copyright (C) 1988-2003 Yuji Nishikata All Rights Reserved.