アラよと言う間に2006年になってしまいあたふたしつつ、昨年2005年に印象に残った自然派ワインをピックアップしてみようと思う。自然派ワインは、その品質にバラツキがあり、飲み手にその判断を委ねると言うマイナスな面も持ちつつ、彼等の理屈は道理が通っていて、身体に馴染んでいく。しかし一方では、腐敗や酸化との境目が曖昧で、まだまだ主流にはなれそうもないが、その足音は確実に世界の銘醸ワインを脅かそうとしているように思えたりする。
【自然派ワイン編】
1999 シュベルニ ラ・グラボット クロ・デュ・テュ・ブッフ
シュベルニの一角にピノノワールがあり、そのピノノワールが6年の歳月を経て、熟成の極みに到達したような、極上の一杯だった。癒し系の自然派にあって、そこに熟成と言う要素が加わると、ブルゴーニュの銘醸畑にはない個性を開花させ、しかしそれは、ピノ・ノワールの個性に通じ、人の心を優しく包み込んでくれたりする。はっきり言って、うまい。その一言をロワール河から発せられるとは、数年前には想像すらしなかったことである。
2003 ブルグイユ ディレタント カトリーヌ・ブレトン
私をして(ですみません)、コタツ系の最高峰と言わしめた逸品。カベルネ・フランの優しい果実味は、喉元を通り抜けることによってますます感じられ、飲むごとに幸せになっていく。みかんの山越しに眺めるテレビに時々視界を移しつつ、コタツでこのワインを楽しめば、知らない間に瓶は空になり、グウスカ眠ってしまうことだろう。
2002 フォジェール マグナム キュベ名失念 レオン・バラル
11月のグレープ・ガンボにて、本人と飲み交わしたフォジェールは、とてもうまかったです。マグナム瓶から何杯も頂戴し、いい感じで酔っ払いました。滑らかな果実味とコクのあるリッチ感が印象的で、ゴクゴクと飲んでしまいました。うまいワインは、喉越しがいい。
2004 ミュスカデ・セーブル・エ・メーヌ ランドロン
キツネの絵が印象的で、ミネラルたっぷりのキリリとした味わいは、駆けつけ一杯目選手権を開催するなら、ダントツで第一位に輝くであろう逸品だ。大西洋に注ぐロワール河の流れを感じるその味わいに、魚介類を合わせるも好し、塩味だけのパスタを合わせるも好だろう。コストパフォーマンスに長け、日常的に楽しみたいワインのひとつ。
2003 アンジュ ラ・リュンヌ サンソニエール
サンソニエールは、すべてのキュベがお気に入りですが、特にラ・リュンヌが価格的にも味わい的にもいい感じ。シュナン・ブランのミネラル感が、心を癒し、食欲を大いにそそってくれます。ロゼ・ダンジュもロゼ・ダンジュールも超お気に入りで、セミナーのラストを飾ってくれる名品です。
今年はあまりシャルドネにご縁がなかったかも・・・(笑)
ただし、ロブマイヤーのバレリーナシリーズとの相性は、今ひとつパッとせず、飲み方の妙は2006年の課題かも。
つづく
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