アルザスへ行こう  にしかたゆうじ 2006/06/29

 今後、さらに熱く語られるであろうアルザス地方のワイン。今回はその行きかたについて。

 フランスはパリ シャルル・ド・ゴール空港に降り立ったら、レンタカーを借りるまえに、営業所に隣接するショップで、フランス全土の地図(ブックバージョン)とパリ市内の一枚ものの地図(市内を走るなら、こっちのほうが格段に便利)を買うことをお勧めします。この地図は、日本人にはとても読みにくく、慣れるまでは大変ですが(個人的にはまだ慣れていませんが・・・)、これさえあれば、なんとかなります。

 で、空港からアルザスへは、おおよそ500km。それはちょうど東京-大阪のようなもの。成田空港についてくるまで京都に向かうような感覚が近いかも知れず、それは何気に遠く、空港に着いたその足で脂ぎった顔面を伴って向かうには、ちょっと躊躇いがちになりそうです。(かなり体力が要ります・・・) しかし、空港からレンタカーを借りて、パリ市内で一泊することは、パリの複雑な道路事情と渋滞、すぐ鳴らされるクラクション、駐車場の少なさ、事故のときの対応を考えると、異国での運転に不慣れな人にとっては、ちょっと厄介で、そのまま高速道路を走って、アルザスに向かうほうが、いくらか気も楽かと思われます。

 または体力的なことを考えると、パリへはリムジンバスで向かいつつ、(電車は強盗団に合う確率が高く、微妙かと・・・)、ホテルで静養・宿泊し、その後電車を乗り継いでストラスブールまで行き、そこでレンタカーを借りるという手もありますが、お金がかかる上に、当日と翌日を丸々移動に費やしてしまい、せっかくのフランス滞在がもったいなく、短期間に集中していろいろ廻るためには、ここは空港からのレンタカーをお勧めしたいのです。早朝にパリに着く直行便なら、なおのことですね。パリからアルザスは遠く、それが今まで私を遠ざけていた最大の理由だったりします。あるいは、ドイツのどこかの都市から入るという手もありますが・・・(未経験につき、詳細はおろか大雑把にも不明です・・・)

 で、空港からはすぐに高速道路に乗ることが出来ます。まずはパリ市内のほうへ車を進め、しかし道路標識にアルザスの代表的な都市・ストラスブールの文字は見当たりません。しかたがないので、途中まではパリ市内方面のどれかの路線を走り(このときはかなりドキドキします)、途中でディズニーランドかランスの標識を見つけたら、それに従って針路をとりましょう。フランスの高速道路はナンバリングされていて、目指すルートは「A4」です。この道はシャンパーニュを通りつつストラスブールへ通じています。今、気がつきましたが、宿をシャンパーニュの、たとえばエペルネイあたりにとって、そこで一泊し、シャンパーニュを巡ってからアルザスへ向かえば、体力的にも行程的にも、いい感じですね。次回は、その方向で日程を調整したいと思います。

 ランスはReimsと綴ります。ランスのあたりからはストラスブールの標識が表示されてくるので、あとは一直線。途中何度か料金所があり、ちょっと面倒くさかったりしますが、カードで支払えるので、慣れてしまえばこっちのモンです。途中パーキングやサービスエリアで休憩しつつ、途中でガソリンも満タンにしなおして、いざアルザスへ。

 アルザスの政治の中心は、ストラスブールですが、畑を巡るなら、コルマールが便利です。コルマールの西側、ちょうどヴォージュ山脈の始まり部分にアルザスのブドウ畑は帯状に広がっています。それはブルゴーニュのコート・ド・ニュイと同じような位置関係ですが、アルザスは何気に規模が大きく、徒歩や自転車での散策はほぼ不可能です。バスも多分辛いと思われます。そこで、パリから遠路はるばる運転してきた車が威力を発揮します。

 アルザスのブドウ畑は、帯状に広いのです。私は一日で南の端っこから北の端っこまで走り抜けることを計画してみましたが、あまりの広さに途中で嫌になってしまうこと必死です。まずは目指す村を数箇所チェックして、コルマールの街の中心にある観光案内所でゲットしたワインメーカーのアドレス帳やミシュランのガイドブックを頼りに、ガツンと攻めてみましょう。ただしアルザスの地名は、表記が独特で発音も難しく、道路標識どおりに進んでも、途中で道に迷いがちです。たとえば、ピエール・フリックはPfahhenheim村に住んでおり、ビネールは、Ammerschwihr村といった具合で、とりあえず運転中にその村を探すなら、アルファベットの最初の一文字を頼りに、走り抜けたりします。途中ちんたら走っていると、後ろの車の視線を熱く感じますので、そんな時は脇に車を止めて地図のチェックをお勧めしたいです。なお、フランスではガソリンスタンドは日本のように点在していないので、在ったら給油が、いいようです。

 アルザスの独特の表記に目が慣れたらこっちのもの。アルザスには美しい斜面があり、おいしいワインがあります。ワインには、ヴォージュのミネラルウォーターと同じミネラル感を感じつつ、自然派ワインのおいしいところを飲み込めば、きっと旅の疲れも癒されることでしょう。またミシュランの星付レストランも各地にあり、グルマンを気取るなら、ジャケットを用意して、大いに楽しみたいところですが、そんな当てのない旅ならば、斜面に腰掛けて自家製のサンドイッチをほほ張り、ワインを飲めば、貧乏でもとてもおいしい空間を楽しむことができそうです。

 で、アルザスのお勧めの生産者は・・・。それは次回のお楽しみ・・・。

 ああ。アルザス。また行きたくなってきたぞお。



おしまい


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