大阪夏の陣 モンテラートさんの巻  にしかたゆうじ 2007/08/14

 去る8月8日、9日と二日連続で、某女史の絶大なるご協力を頂戴しつつ、「ブルゴーニュ魂 in Osaka 夏の陣」と題したワインセミナーを開催しました。関係各位に大感謝とともに、その時の模様などを少し・・・(写真・・・撮り忘れました、というより撮る暇ありませんでした・・・)。

 第三弾は、谷町九丁目のイタリアン・レストラン「モンテラート」さん。谷九といえば、私にとっては思い出の地。この町に寿司の名店があり、関東からわざわざ足しげく通ったものでした。数年前に大将が亡くなられたとの報を聞きつつ、久しぶりの谷九訪問は、感慨もひとしおでした。

 モンテラートさんでは、ムニュ・デギュスタシオンにて、最高のお料理とブルゴーニュワインと日本ワイン、そしてロブマイヤーと唐津焼が奏でるハーモニーを体感していただきました。イタリアンとブルゴーニュワインの競演は、おいしいで繋がる世界観を持っていて、それは神楽坂や南青山、鎌倉でも実証済み。モンテラートさんでの開催に当たっては、なんのためらいもなく、モンテラートさんとのマリアージュを楽しみにしていました。私も裏でお料理を少しずつ頂戴しては、スタッフの方々に、おいしいなあと呟きつつ、楽しいセミナーは進行しました。


(お料理)

大阪昭和町ブーランジェリーイシガキさんのパン2種と
 揚げパスタのカレーソース

サーモンのライムマリネ オクラのソースとサンマのロートロ

平目と蟹のバポーレ・サマートリュフ風味・サルサアメリカーナ

パスタ料理 スパゲティ・ジェノベーゼ

グジェール

ブレス産プーレット胸肉の昆布じめと
 フォアグラのテリーヌ・トマトとはちみつのとりあわせ

ブレス産プーレットもも肉のロースト
 リッシュブールを讃えてブルゴーニュの高級赤ワインをつかったソースで
 
(03クロドヴージョ by アンヌ・グロ 93ジュブレbyルーデュモン 83 ボーヌ・ペリエール by ルロワ)

本日のドルチェ トマトのクレームブリュレとチョコブラウニー


(ワイン それぞれのお料理にあわせるようにして)

n.v.   カバ ナチュール        1+1=3
2006 甲州 万力山          金井醸造場
2005  ブルゴーニュ          ジャン・ルイ・シャヴィ
2005  ピュリニー・モンラッシェ    ジャン・ルイ・シャヴィ
1990  シャンパーニュ ブリュット  アルジャンティーヌ
2003  ジュブレ・シャンベルタン   ドニ・モルテ
1995  ジュブレ・シャンベルタン   ドニ・モルテ
1992  特級リッシュブール      ジャン・グリボ


(グラス 各1客ずつ/人)

ロブマイヤー・バレリーナ・グラスV
リーデル・ヴィノム・ブルゴーニュ
唐津焼 隆太窯 中里隆 南蛮コップ
INAOテイスティンググラス
photo par J-NAKATA

 初めてのレストランでのワインセミナー開催の多くがそうであるように、ご参加いただいた皆さんも主催者側も、お互い若干の緊張感を持ちつつ、まずは自己紹介とこの企画の馴れ初めなどをお話しさせていただきました。全員が揃うまで、たどたどしさを感じつつ進行するも、1+1=3という少しばかり計算のゆるいスパークリングワインを注いでからは、場もゆるやかに、朗らかになって行くのでした(自分調べ)。このカバ、カバにしては高いですが、高品質で、しっかりとアペリティフとしての役割を担ってくれます。

 続いて、金井醸造場の醸した甲州を唐津焼とINAOグラスへ。同じワインを注いだにもかかわらず、唐津焼とグラスでは味わいがまったく異なり、少しばかり癖のある甲州のたのしさを共有させて頂きました。グラスで飲む分には好き嫌いも分かれがちですが、器の妙に、緊張感も打ち解けてきますね。

 世代交代により誕生したドメーヌ・ジャン・ルイ・シャヴィからは、ブルゴーニュとピュリニー・モンラッシェの畑の違い、格付け違いを体感していただき、1990年の熟成したシャンパンを白ワインとしてお楽しみいただきました。お料理との流れもいい感じだったと思いつつ、赤ワインは3種類。

 ドニ・モルテのジュブレ・シャンベルタンをビンテージを変えてお楽しみいただき、2003という酷暑のビンテージの特徴と1995年という、早いもので12年も経ってしまった熟成感をお楽しみいただきました。これがまたロブマイヤーに映えるんですね。泣けるワインにランクアップです。とくに2003は、リリース直後は強烈で爆発する果実に圧倒された感がありましたが、4年たって、いい感じにこなれてきていて、このタイミングで飲むのも悪くないかと思います。

 そしてメインのリッシュブール92。ジャングリボはこの年からギイ・アッカドの影響から脱したといわれていて、どんな熟成を遂げているか楽しみでしたが、広大なスケール感こそないものの、特級たるポテンシャルの高さを味わいにもち、熟成感を楽しむにも、いい按配でした。ロブマイヤーで救われたという説も無きにしも非ずですが、特級リッシュブールの熟成がロブマイヤーに美しく、とてもリッチな夜となりました。

 ところで、このリッシュブールに合わせたソースが、これまたすごいことになっていました。(上記参照)。再現不可能の極上のソースとの相性もバッチシで、谷九の夜は、大人のディズニーランドのように、艶やかに、深まっていくのでした。本当は、打ち上げもしたいところでしたが、翌日のお昼には湘南界隈にいなければならず、泣く泣く、大阪の街をあとにしたのでした。

 今回のテーマは、器の妙。ロブマイヤーの美しさを体感していただき、ブルゴーニュワインとの美しいまでの共鳴を共有させて頂きました。また、それに通じる唐津焼の不思議もご紹介しつつ、物は器と昔の人はよく言ったものだなあと思う大阪の夜でした。

 モンテラートさんのご配慮とご尽力に大感謝です。
 
 さあ、次回は秋の陣で・・・。楽しみです。


おしまい


ご意見・ご感想は、こちらまでお願いします。
無断転載お断り
Copyright (C) 2007 Yuji Nishikata All Rights Reserved.


ドリンキングレポートへ ワインコラムへ  HOME

Copyright (C) 1988-2007 Yuji Nishikata All Rights Reserved.