フランスに行こうと思っている人へ (2002/08/06)

 
 今回は、フランスへ近々行こうかなという計画を持っている人へ、知って得する情報を。トリセツ風に。
 
 パリ。PARIS。人はなぜパリに憧れ、かの地を踏むのだろう。ワイン、料理、芸術、ファッション、デザイン、建築、語学、仕事など旅人の目的は違っても、パリには世界中から人が集まってくる。花の都パリ。今回はそんなパリの魅力に触れることなく話を進めてみよう。憧れの街パリに立ったあなたが真っ先に向う場所は、エッフェル塔でもルーブル美術館でもない。まず向うべきは、日系の本屋さん。パリの中心地オペラ座から地下鉄ピラミッド駅へと向う通りには、場所を離して二つの日系本屋さんが軒を構えている。そこは日本人街を形成しているので、道ゆく人に本屋の場所を訪ねるがよいだろう。パリに着いて早々日本の本屋に行ってどうするんだという嘆きを押しつぶしてまでやってくるには、訳がある。

 本屋でやるべきは二つ。ひとつは店内に貼られた情報をゲットするのだ。そこには意外な掘り出し物があるかもしれない。アパートなどの不動産情報やフランス語の個人レッスン、帰国するため処分したい洗濯機や冷蔵庫、自転車売ります、など安価で生活用品が手に入る可能性が高い。旅行者の自分には関係ないやと思ってしまったら、自分の世界を狭くする。張り紙の中には旅行者向けの情報もあるからだ。例えばブランド製品の買い物バイトなどだ。パリ市内はもとより、イタリア往復の交通費宿泊費もついてバイト代をくれるという。実際に体験したわけではないので、身の危険性については不明だが、不思議な出会いがあるかもしれない。またパリに暮らそうと思っている人達の情報を眺めるだけでも結構面白かったりする。

 そしてもうひとつの理由、日本の本屋に行く最大の理由。それは、テレフォンカードの購入だ。1枚20ユーロ(2,400円程度)のテレフォンカードは、公衆電話に差し込むのではなく、裏面にかかれた暗証番号を押した後に相手につながるというもの。空港や市内のTABACで簡単に手に入るテレフォンカードを、日系本屋さんで購入するわけは、その通話時間にある。なんと日本への国際電話が400分も通話可能なのだ。400分でどのくらいの時間だろう。想像しにくいが、時間単位にすれば、6時間40分。これはパリにいながらにして安心して長電話ができるという優れものだ。市内のTABACで購入する差し込みタイプのテレフォンカードに比べ圧倒的に長い。だからこそ本屋で購入するのだ。しかも裏面の説明は日本語。これほど便利なものはない。有効期限は使用開始後6ヶ月だが、そんなにフランスにいないので、使いきらないデメリットの方が気がかりだろう。

 しかし、ここに原因不明の複雑な状況も理解する必要がある。まず同じテレフォンカードでフランス国内に電話すると圧倒的に通話時間が短縮されてしまう。さらに携帯電話への通話はもっと割が悪い。しかもワンコール2分単位でカウントされるというが、相手が不在で留守番電話になってしまっても2分のカウントが減るので、注意したい。フランス国内に通話する場合は、国内用のテレカを使うほうが賢明だろう。さらに罠がある。パリの一般住宅の電話からかけた場合に適用されるようで、パリ以外の住宅、公衆電話、携帯電話から掛けるとその率は激減する。どの程度の割合かは不明だが、あっというまに400分分使い切ってしまったところをみるとかなりの割合だろう。

 ただそんな不利な条件がついていてもなお、通信費は安い。日本に残した恋人へのラブコールには強い見方だ。国際電話の通話料金が高額だ思っている彼女には、通信費を無視してまで話しつづける自分に「ホ」の字マークが点灯しつづけるかもしれないし・・・。地下鉄を乗りついででも本屋を探すメリットは十二分にあるだろう。

 それにしてもフランスの通信事情はわかりにくい。自分が手にしたテレフォンカードの種類に応じて通話料が違うからだ。差し込みタイプと暗証番号タイプで料金も違う。暗証番号つきカードの場合でもフランス語バージョンが200分程度、日本語バージョンが400分、中国語バージョンだとなんと600分というやつもあるらしい。中国のそこはかとないパワーをテレカからも窺い知ることができる。

 テレフォンカードをやむを得ずTABACで購入する場合は、差し込みタイプと暗証番号タイプのな種類から選ぶことになる。差し込みタイプはキャビネ用と言えば通じるし、なにも言わないとこっちのタイプが出てくる。50度数と120度数の2種類あり、当然ながら120の方が一度数あたりの単価は安くなる。50度数で7.5ユーロ(900円程度)だから、レストランの予約などに便利だろう。プチテレフォンカードで充分通じるので、フランス語は使わなくても済む。暗証番号は、インターナショナルまたはアベックコードで通じる。暗証番号つきを購入したらコインで暗証番号を削ってから、その番号を入力すればOK。テレクラカード感覚で掛けるのも悪くないだろう。

 ちなみに日本への電話の掛け方だが、00を押してから日本の国番号81を押す。そして市外局番の最初の0を押さずに続けて相手の番号を押せばいい。例えば045-xxx-xxxxに掛ける場合は、008145xxxxxxxでいいわけだ。携帯電話にも掛けられるので、かなり便利だ。ただし相手が携帯の場合、利用時間は死ぬほど短縮されてしまうが・・・。

 とにもかくにも異国の土地から、自分の安全や家族の安否を確認するためにも電話はかかせない。国際電話が高料金だという錯覚を逆手にとって、日本にいるときより長電話をすれば、きっと互いの合いを深められるだろう。実は安かったという事実が判明するまでは・・・・。

 なお、日系本屋さんでは当然ながら日本語の書籍や雑誌を売っている。当然ながらお客のほとんどは日本人である。寂しくなったらそこで立ち読みするのもいいかもしれない。本屋から始まる愛もある。立ち読みから触れ合う愛もある。そんな思いは顔に出て、やりたい光線やモテナイオーラが如実に出現し、結構煙たがられそうだから、あくまでも紳士を気取って不思議な出会いを信じて待ってみよう。ただし、こんな女性には要注意だけど・・・・・。あれ。途中で寄り道している間に、オチがなくなってしまった。まあいいか。


 テレカいろいろ
 


おしまい

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