博多を巡る冒険 その5 ラーメン編 (2003/03/21)

 
 ある日、博多でのワインセミナーを終えた翌日、博多ラーメンを食べる機会に恵まれた。

 三年前の博多うまいもんツアーで、極うまラーメンとして記憶に残るラーメン屋を探す。しかしすぐさま迷子の状態に陥った。そこで、「函館の女」で有名な某氏に電話してみたものの、現在地の確認すら出来ず断念。自分の立っている位置が今ひとつ分からなかったので、これからいこうとするラーメン屋も分かるはずもなかったりする。しかも薬院駅近くという大雑把過ぎる情報がよくなかったようで、某氏には多忙の折悪いことをしてしまった。この場を借りて、すんまそんである。しかし博多に来てラーメン食わずに帰れない。駅周辺でキョロキョロするとラーメン屋が多いことに気付いたりもする。そして適当に目の合ったラーメン屋にレッツらゴーした。450円のラーメンを頼みつつ、博多上陸後わずか15時間で立て続けに食べまくったために
(詳細は博多を巡る冒険のその1からその4参照)、今ひとつ食欲もわかない。我ながらかなり胃疲れしているが、ここは部活の名の下にガツンと一杯平らげたりした。しかし名物替え玉はご勘弁願っておいた。

 味は普通。とんこつベースの比較的優しい感じで、気持ち胃にも優しい感がある。しかし、食うで精一杯。お店のご主人と会話するものの今ひとつ話題も弾まなかった。店主によれば、おすぎとピーコのどちらかが贔屓にしているようで、昼間の自慢メニュはチャーシュー丼とのことだった。しかしながら、私の神経は、胃の消化吸収に集中しているために、頭まで血が上っておらず、おすぎでもピーコでもチャーシューでも、どちらでもいいような気がしていた。

 ところでラーメンといえば、数年前、福岡と熊本に頻繁に来ていた頃、函館の某氏らと夜のパトロールで残業を重ねた日々を思い出す。時は夕方、まずは長浜の屋台に向かう。左から二番目の屋台に陣取って、ラーメンは注文せず、焼酎のお湯割りだけを飲み干す。お湯割りは、お湯から入れないと焼酎がうまく混ざらないので、逆をやると地元のオヤジさんたちに怒られるので注意が必要だ。景気がついたところで、中洲や天神あたりのもろもろの店を夜な夜なパトロール。そして、最後に初めに腰を下ろした屋台に戻ってラーメンを食す。いい調子に酔っ払っているので、屋台のオヤジに「ただいま」と言っては「おかえり」といって欲しかったりもした。宿は友達のアパートで、いつも雑魚寝だった。

 あれから何年経ったのだろう。

 ラーメン食べつつ、昔話を思い出し、ついぞ今食べたばかりのラーメン屋の店の名前は分からずじまいだった。いつか、おすぎさんかピーコさんに聞くことにしよう。ところで今気付いたが、博多とはいったいどこら辺のことを言うのだろう。福岡県福岡市博多区がその場所であるならば、鮨もダッコワーズもラーメンも博多区ではないので、ちっとも博多を巡っていないような気がしないでもなかったりする。


おしまい 広島編につづく

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