マクロビオティック食 (2003/09/09)

 
 先日、東京・竹橋にあるマクロビオティック食の「クシ・ガーデン レストラン」で夕飯を頂いた。

 クシ・ガーデンの名前から当初、串揚げ屋さんか串かつ屋さんを予想していたが、そこは久司道夫さんが経営する自然派食品のレストランだった。マクロビオティックなる言葉には馴染みがないが、言葉を分解すると、マクロ=大きい ビオ=生命 ティック=方法 となり、ホームページによれば、「マクロビオティックとは環境と植物を十分に配慮した簡素で、バランスのとれた食事をすることによって健康で長生きをする「人間の理想的な生活方法」を指」すらしい。

 平たく言うと、肉、卵、乳製品、砂糖をやめ、穀物と野菜を中心とした食事をしようというものだ。著書も多数出版されていて、(例えば、マクロビオティック入門 久司道夫 かんき出版など)、その思想に基づいた食生活を提唱している。正直な話、本を読む限りでは、彼の決めつけの理論展開には違和感を覚え、少しなじめない。(牛乳の検証方法とは性格を異にするからか・・・?)。しかしこのレストランで出される食事は、確かに旨い。玄米ご飯がこんなにおいしいとは、ちょっと感動ものであり、日々この食事を続けていけば、健康になれそうである。各種調味料の力に頼ることなく、野菜や海草のうまみを十二分に引きだす素朴な料理は、大変おいしく、食への喜びがいよいよ増してくるから不思議だ。ビールにもこだわりがあり、EC審議会とドイツ有機栽培協会が認定した有機栽培醸造所のビールは独特の風味があり、結構好みだったりもする。ワインは天然系が充実しており、ボジョレーのマーセル・ラピエールなどがサービスされているようである。

 マクロビオティックは理論から入ると、ちょっと敬遠しがちではあるが、(それはワインのビオディナミに違和感を覚えていたあの頃に似ている・・・)、実際においしいご飯を食せば、身体がこのマクロビオティック食を欲していることが分かる。しかも西洋医学では解決できないパワーをも持ち合わせているという。

 まずはちょっと食べてみて、そこから著書を読むなどして新しい世界を開拓してみたい。幸いにも前述の書では、「宗教はかくあるべしと教条的になりますが、マクロビオティックでは個人の自由を尊重」しているので、結構気軽な気持ちで食べ始められるからありがたい。

 しかし、あの玄米ご飯はおいしかった。夕飯の定食風なメニュで1500円。少ない量なので、昼食時は隣の「ほか弁」
と併用したいだろうが、東京に出る楽しみがまた一つ増えたので、大いにうれしかったりもする。

おしまい


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