近すぎる飲み屋 (2007/06/13)

 
 先日、我が家から、息を止めてダッシュしても着いてしまいそうなところにある居酒屋さん?にて、食事をした。

 小学校の同級生で、おそらく松岡君とも同じクラスだった某氏と、あることがきっかけで再会しつつ、たまには飲もうということで、なぜかうちの近所の飲み処にて久しぶりの杯を交わしたのだった。というよりも小学生時代の同級ということは、成人後初めて一緒に飲んだような気がしないでもないが・・・。まあそれはそれとして。

 このお店は、魚がうまい。地の蛤を刺身で食べさせてくれたり、地の魚を、その場でおろしてぷりぷりな食感を味わうのではなく、、わざと一日置いて捌きつつ、そのうまみ成分を大いに楽しませてくれる心意気がうれしく、酒も(このときはビールだったが)何気に進むというものだ。店内は残念ながら喫煙OKで、カウンターには常に常連さんが談笑していて、一見さんには少しばかり入りにくい雰囲気を持ちつつも、一度中に入ってしまえば、恰幅がよく、それでいて腰の低い大将が、いろいろとうまい肴を出してくれるので、なかなかにいい感じのお店だった。(ちなみに地とは、日本国内という意味らしいが・・・(笑))

 店内を見渡せば、客層は、土地柄サーファーも多く、20代前半の女性客も多い。うちの近所にこんなに若い子がいたっけかなあと思いつつ、その昔、そう、今そこでビールを飲んでいる彼女たちと同じ年の頃、私も小田原やら横浜で、なじみの店を見つけては、あんなふうにお酒を飲んでいたなあと、どこか時代を少しばかり遡ったような錯覚に陥ったりもした。

 私がしみじみビールを飲んでいると、某氏は赤ワインが苦手という話を切り出してきた。どうも赤ワインのあの渋みが苦手で、一生飲まないかもしれないと、肴を突きながら嘆いてきては、立場上?(笑)、うまいワインを飲んでもらわないわけにはいかなくなった(本当かな)。ここから我が家までは歩いてすぐ。(本当に近い) では飲んでもらいましょう。

 ということで、ワイン(ピノ・ノワールを2種類)とリーデルのブルゴーニュグラス(さすがにロブマイヤーは止めときました)とデカンタとソムリエナイフを自宅から持ってきては、突然としてワインセミナーが始まってしまった。最近の大定番アルザスのピノ・ノワール(2005ミットナット)と、リュリ1級(2002 エリック・ド・スルマン)を楽しんでもらいつつ、デカンタによって味が変わる様や、グラスの違いによる味わいの違いを、お楽しみ。何でこれ渋くないの・・・。その説明は、とても長くなりそうな気配も漂いつつ、あらよという間に、二本のピノ・ノワールは空っぽになってしまったのだった。飲むなあ。和の道に通じる赤ワイン。渋くない赤ワインは初めて飲んだということで、赤ワインを人生のカテゴリーから抹消しようとしていた某氏に、すんでのところで、赤ワインが復活されたのだった。

 それから話は弾みつつ、今度は銀座の某店でうまい和食を食べようということになり、なんだか、小学校以来の親交が突如として復活したのだった。

 で、このお店であるが、やはりあまりにも近すぎる。もう少し遠くないと、なんだか酔えるお酒も酔えないようで、適度な距離感が必要かと思いつつ、せっかくの出会いでもあるので、ふらりとちょこっと寄ってみようかなと思うこの頃だったりする。でも、やっぱり近いなあ。せめてビストロ・ノーブルさんくらいの距離は欲しいなあ。HxMさんもいい按配。でも件の回転寿司は、ふらりとお酒を飲むには、少し遠い・・・。

 家から近すぎる飲み屋さんって、どうですか(笑)


おしまい

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