にっぽんハッピーワイン |
日本ワインを巡る団体ツアー 2005年4月29日から30日にかけて、神田のイタリアン・レストランとの共催で、山梨のワイナリーを巡る団体ツアーを企画し、無事終了しました。大型バスをチャーターしての総勢37名で訪問したワイナリーは、下記の通りで、また当日の夜に、石和温泉の某ホテル内で開催された日本のハッピーワインの試飲会兼懇親会も各社協賛のもと大成功を収めることができました。一団体客に対し、これほどまでのご尽力をいただいた各ワイナリーと、若手花形博学系情熱醸造家の皆さんに、この場も借りて感謝申し上げる次第です。
各ワイナリーの見学内容といいますか、雑感をひとつふたつ。 【フジッコワイナリー】 あの佃煮のフジッコが手がけるワイナリーで、日本ワインのエースで栽培のエキスパート・雨宮主任自らのご案内で、等々力地区の河川敷にあるメルローの自社畑を見学させていただきました。氏はヤクルトの古田捕手に似ているという説もあり、その温厚な語り口は女性のハートも射止めるという・・・。それはとりあえず脇においといて、メルローの畑は水捌けが良すぎ、水分確保が命題で、また一昨年の雹害を受け、二年連続でワイン造りを断念せざるを得なかった畑。今年の実りに大いに期待したいと思いつつ、芽かきの必要性や方法などを説明いただきました。醸造所に移って、設備内で5種類のワインを試飲させていただき、それはテーマをぶるたま的に絞っていただいたオリジナルな試飲になり、他所では味わえない貴重な体験になりました。また醸造所内では、よく言えば「貴花田」、悪く言えば?「劇団ひとり」似の加賀美氏にも加わっていただき、醸造の説明を受けました。氏は、外見よりも、実は某お寿司屋のオヤジに話し方が酷似していて、氏が話すたびにお鮨を思い浮かべてしまうのは、多分私だけでしょう。せっかくワイン造りを力説していただいているのに、お鮨が脳裏を掠めて、ほんとすみませんです。樽熟成の説明を受けつつ、後半は全てのワインが試飲できるコーナーに移り、参加者の多くがフジッコのワインを買い求めたりしていました。偶然にもブショネのワインも出没し、ブショネのサンプルを参加者に体験していただくこともでき、貴重な経験を積ませていただいた。また先ごろ一新されたエチケットも大好評で、フジッコワイナリーが勝沼を代表するワイナリーへと大躍進している様は、かなり爽快で、「うまい日本ワイン」の代表格でしょう。 【奥野田葡萄酒醸造】 大型バスで乗り付けるには、ちょっと急すぎる斜面に横付けして、奥野田の自社畑に到着。JR中央線を行きかう電車を眼下に眺めながら、中村社長の熱いトークが炸裂しました・・・というよりお願いしました。日本の農業の話に始まって、葡萄栽培の技術的な話まで、実際の葡萄栽培の現場に、小一時間ほど一緒に立ちながら、貴重なお話を拝聴しました。農業をある角度から見ると、様々な疑問がドミノ倒しのようにわかりやすく連動し、日本の農業を取り巻く事情が一気に説明されたりしますが、それがどんな角度からの話なのかは、実際に奥野田に訪問される方のためにあえて伏せておきたいと思います。しかし、私はいろいろあってバスに乗ってあちこち走り回っていたので、詳細は不明なままで、それでも参加者の皆さんが奥野田ワールドに引き込まれていく様は、容易に確認できたのでした。終売になった「冬花火」の試飲もさせていただきつつ、貴重な経験をさせていただきました。 【イケダワイナリー】 自社畑を持たないイケダワイナリーでは、醸造所内にて池田社長自らのご案内で、山梨の果樹栽培や葡萄栽培の現状、ワイン造りのコンセプトなどをご説明いただきました。本来ならば、もっと時間を確保して、たっぷりとお話を聞きたかったところですが、それはまた次回のお楽しみということにしていただきつつ、赤白のセレクトを試飲。イケダのピュアな果実味は、山梨の他のワイナリーにはない個性を発揮していて、個人的にも大変興味深い味わいで、いつ飲んでもおいしいワインだと思ったりした。ところで、イケダワイナリーをよく知る人には、この団体ツアーがよく実現できたと不思議に思う方もおられることでしょう。大通りに面していない普通の民家的なイケダワイナリーは、自家用車で行っても道に迷うほど判りにくい場所にあり、よくもまあ60人乗りの大型バスが、あそこに停車できたかと思うと、前代未聞というか、前人未到というか、近所迷惑というか、なんというかですが、そこはそれ、ぶるたま的なお願いが功を奏し、実現の運びとなったのでした。しかし、この経験から、40人で行くのはやめようと思ったのも事実で、次回以降は、こじんまりと行きたいと思ったりしています。 (奥野田とイケダワイナリーの訪問には、裏技の活用がありましたが、割愛します。) 【ルミエール】 勝沼の隣というよりも数メートル離れているだけで、勝沼を表示できない笛吹市(旧一宮町)のルミエールのワインは、それがために勝沼町営のぶどうの丘で買うことが出来ないワインだったりします。当日は、予定の時間をかなり遅刻しつつも、小山田課長に大型バスを誘導していただき、甲州街道沿いの某所に大型バスを横付けし、そこから斜面を下るように自社畑の見学をさせていただきました。ビオディナミ農法を実践する畑の説明がなされつつ、私は途中で体調を崩された方の看病というか休憩所に誘導したために、どんな話だったかは全くわかりませんでした。今度小山田さんと飲みに行った時に、改めて聞く事にしたいと思います。畑の見学を終えた一行に合流して、地下のセラーに。そこでは貴重なバレルテイスティング(樽からの試飲)を経験させていただきました。地下セラーでは、デュジャックで研修をしていた佐々木氏の説明をいただきつつ、畑で直射日光を帯び続けた体には、このヒンヤリとした温度が心地よく、時間が許すなら、もう少し居座りたかったりもしました。ルミエールの某美人秘書?によれば、小山田氏は、プライベートよく自分が造ったワインを購入しているとのこと。自信があるからこそ、自分が造ったワインが欲しくなる。この事例をもってして、小山田課長が造り上げるワインの品質の高さが伺えたりします。氏は、特にカベルネ・フランがお気に入りのようで、品種個性が明確な、とてもおいしいワインであり、前日の試飲会でもその味わいは参加者のハートを射止めていたのでした。なお、ルミエールにはフランスのワインショップで働く長岡京的某女史も前日に訪問し、その評価はまもなくフランスにも伝えられることでしょう。 【金井醸造場】 ワイナリー巡りの酉を飾るのは、銀座の某フレンチレストランでもワインリストにその名を連ねる金井醸造場です。金井氏は父の後を継ぎつつ、ビオディナミ農法の実践や天然酵母による発酵などチャレンジ精神旺盛な方で、前夜の試飲会兼懇親会では、お父様が金井氏のために造った1972年の甲州ワイン(マグナム)をご提供いただき、参加者一同、そのすばらしい酒質に感激していました。ただ主催者側(私です)の落ち度といいますか、当日のあまりの天気のよさに、体調を崩しつつ、一日中畑仕事をすることの大変さを、しみじみと実感してしまい、せっかくの貴重なお話を今ひとつの集中力でしか聞けなかったことに、大変申し訳なく思い、この場を借りてお詫び申し上げたい気持ちです。それでも場所をワインショップに移し、各種ワインを試飲させていただき、大感謝なのです。かつてニコラ・ジョリーにビオディナミの何たるかを語った金井氏のワインは、不思議な魅力を持ち、ある一本のカベルネソービニョン主体のワインを試飲させてくれつつ、「このワインどう思いますか。私は、こういうワインが造りたかったんです」というワインは、渋みよりも酸味が前面に出つつも、余韻が長い、おいしいワインでした。この余韻に氏の昼夜休みなく働く、ワイン造りのこだわりを垣間見た気がしたのでした。 当日の模様
フジッコワイナリーの写真を撮り忘れてました・・・。すみません。 また29日の夜には、8社10名の方にご参集いただき、素敵な試飲会兼懇親会が開催できました。 とりいそぎ、そのときのリストをご紹介します。
当日は、シャトレーゼの戸澤氏がTV出演?のため参加適わず、残念でしたが、西島氏にいろいろ解説をいただきながら、試飲。原茂の杉山氏はイタリアワインの土着品種に造詣が深く、かなりディープな話も展開され、山梨ワイン醸造の野沢氏からも貴重なお話を伺えました。また、勝沼醸造の栽培のエース・小林剛士氏には、今回の会の実現に向け多大なご尽力を頂、またその打ち合わせの席では自家製カレー(長期熟成型)までご馳走になり、大感謝なのでした。会終了後は、ホテル横の中華屋さんでビールを飲みつつ醸造家の方たちの打ち上げ?にも参加させていただき、馬鹿でかいコロッケを食べつつ、楽しいひと時はあっという間にくれていくのでした。 末筆ながら、今回の企画に関し、ご協力いただいた方々とご参加いただいた皆さんに、厚くお礼申し上げます。また今回諸般の都合により訪問できなかったワイナリーの方からも「今回はごめんね」メールも頂戴し、嬉しい限りです。「日本のワインをブームで終わらせるな」を合言葉に、次回はどんな企画を立てようか、こうご期待ということでお願いします。 おしまい 注 文中の写真の肖像権は確認していませんので、指摘された時はすぐ訂正等しますね。 |