にっぽんハッピーワイン |
甲府の日本ワイン事情・・・。 先日、山梨県某所で、甲府在住のソムリエールにお会いして、日本のワインについてお話しする機会に恵まれた。湘南界隈での日本ワインの定着化を私がうれしく話しつつ、日本ワインのお膝元的存在の甲府市内での状況を訊ねてみた。 ソムリエール (以下ソ) 「日本ワインのブームは、終わっていませんよ。」 私 「やっぱりね。今、平塚や小田原でも大いに盛り上がってますからね。」 ソ 「いいえ。ブームはまだ始まってませんから。」 私 「え」 ソ 「日本ワインのブームは、始まってないから、終わってもいないんです」 私 「なるほど・・・」 なるほど、ではない。ワイン雑誌の多くに取り上げられた日本ワインは、じつは雑誌が各誌が競争するかのように煽り立てただけで、日本屈指の日本ワインの産地「勝沼」を有する山梨県ですら、レストランやお茶の間での日本ワインの普及は、ほとんどないとのことだった。今、日本ワインを飲んでいるのは、一部の日本ワイン愛好家か、昔からお酒として日本ワインを飲んでいる人たちが多く、新たに日本のワインを飲むようになった人は、意外に少ないらしい。そのソムリエールをして、私は例外的存在と位置づけられてしまった。 幸いにして、神奈川県の湘南地区の一部と西湘地区の一部において、日本ワインは買いやすくもなり、近所のレストランでは、日常的に抜栓されるようになったが、不幸にして神奈川県の他の地域を含むほとんどの地域では、一部の銘柄を除き、日本ワインを購入できる酒屋さんも、的確にサービスするレストランもないのが現状のようなのだ。 日本ワインのお膝元で、最も生産地に近い消費地 甲府。 ここでの日本ワインの定着なくして、日本ワインは語れるはずもないのに、なぜか甲府では日本ワインがそれほど飲まれていない現実に戸惑うのは私だけだろうか。 鹿児島、宮崎でお酒といえば、芋焼酎という。 秋田でお酒といえば、日本酒のこと。 では、甲府でお酒といえば・・・。 そのソムリエールをして、あと5年後に、地元特産の甲州が、日常的に甲府市内で飲まれることを期待し、その役にたちたいという。彼女のその意志の強さを知る者として、彼女の活躍に期待しつつ、ブルゴーニュ魂的にも日本ワインに注目し、大いに楽しんでいきたいと思う。これから日本ワインがどうなっていくのか。その情報を共有しつつ、日本ワインのおいしさが、地元に浸透していないことに戸惑う、あるソムリエールの呟きだった。 つづく
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