新情報 ドメーヌ・ド・モンティーユ を巡る冒険

 2004年4月3日配信。2004年4月10日修正。

 ヴォルネイ村に本拠地を構えるドメーヌ・ド・モンティーユの当主で、ドメーヌ・デュ・シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェの経営責任者を務めるエチエンヌ・ド・モンティーユ氏から【ブルゴーニュ魂】宛にメールを頂戴したので、ここに紹介してみたい。ブルゴーニュの新たなるうねりが、2004年ビンテージにも到来していることを肌身で感じつつ、ワインの到着が待ち遠しかったりする。それは・・・


 ドメーヌ・ド・モンティーユがコルトンに特級畑を購入


 氏からのメールによれば、今回購入したコルトンの特級畑は1.05haあり、現在、畑にはピノ・ノワールが植えられていて、0.6ha分に相当する樹齢45年の株はそのまま残して赤ワインの特級コルトン・プージェとしてリリースし、一方0.45ha分の畑に植わる樹齢25年の株は、2004年4月にシャルドネを接木して白ワインの特級コルトン・シャルルマーニュとしてリリース予定という。


 コルトンの丘は広大であり、今回ドメーヌ・ド・モンティーユが購入した南向きの斜面は、赤ワインは特級コルトンを(小区画名のプージェも付記可能で、ドメーヌでは名乗る予定のようである)、白ワインなら特級コルトン・シャルルマーニュを名乗ることが出来るAOCである。


 (余談ながらこの区画は、白の特級コルトンは名乗ることができない。白の特級コルトンは平地よりの南向き斜面と、山頂部一帯を除く東側の斜面の区画になければ名乗ることが出来ないからだ。ちなみに白の特級コルトンはオスピス・ド・ボーヌのそれが知られていて、またラドワ村のヴェルジェンヌの小区画から造られる白ワインは、赤ワインと同様の名、特級コルトン・ヴェルジェンヌが名乗れたりする。また、もっと珍しい白ワインの特級シャルルマーニュはコルトン・シャルルマーニュが名乗れる畑からなら生産者の意思で名乗れるようだが、最近は使われていないという。いずれにしても、このあたりの素性の曖昧さが、広大ゆえの生産量の多さと絡み合い、辛口白ワインの世界最高評価である特級モンラッシェに一歩譲る原因かもしれない。)


 話を戻すならば、ドメーヌ・ド・モンティーユは、コルトンの丘で最優良地と呼ばれる南向き斜面の中腹に自社畑を有することになった。さすがは、名門 ド・モンティーユ家である。購入金額までは教えてもらえなかったが(笑)、世界有数の銘醸地ゆえに相当金額も高かろうと推測され、他のドメーヌやネゴシアンが虎視眈々と畑を増やそうとしている中、一挙に1.05haもの広い畑を購入するとは、【ブルゴーニュ魂】もうれしい悲鳴を上げたりする。すごいぞ、である。


 2004年がファーストビンテージということは、市場で見かけるのは早くても2006年夏ごろだろう。指折り数えつつ、ヴォルネイの名手が造る初めての特級ワインに期待は大きくなるばかりだ。(シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェは特級モンラッシェを持っていたりするが・・・)。


 ちなみにドメーヌでは、今回の特級コルトン・プージェと特級コルトン・シャルルマーニュを加えて、合計10.65haを所有することになった。これでドメーヌ・ド・モンティーユは、本拠地のヴォルネイと第二醸造所があるボーヌ、そしてポマールとピュリニー・モンラッシェ(白)に自社所有畑を有するコート・ド・ボーヌを代表するワイン生産者になったようである。また、当主のエチエンヌ・ド・モンティーユ氏はシャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェと同様、ビオディナミやビオロジーを実践し(畑によって変えている)、ブルゴーニュのワイン造りでも指導的な立場にいる人で、最も注目されるヴィニュロンであり、そんな彼が手がけるブルゴーニュを代表する畑に注目しないわけにはいかないのである。楽しみだなあ。


 エチエンヌ・ド・モンティーユ訪問(?)記



コルトンの南側斜面、この中腹にド・モンティーユ家の畑がある

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以上


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