シャルトロン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年8月12日 | |||||||||||||||||||||||
<特級 シュバリエ・モンラッシェ クロ・デ・シュバリエ Monpole> 色は意外なほど薄い金色。ラフォンのモンラッシェやラモネのバタール・モンラッシェ、ドーヴネのフォラティエールに比べると圧倒的に薄い色合いであり、この村の最上級クラスにはとても思えない趣である。香りはまだ閉じていて、ようやく探して花の香りをみつけられるくらい。これはやや冷やし目の温度設定のためだろう。 少し外したかなと思いつつ、半信半疑に口に含むとびっくり仰天させられた。このワインの最大の特徴を、インプットされてしまったからだ。すごいとろみ感なのである。まるでつきたてのお餅を飲みこんだかのような強烈なインパクト。飲み込んだ分の液体がいつまで経っても、一塊にまとまっているような印象を受ける。引き伸ばしたお餅がそれでもくっついているような感覚。飲みこんだ液体は伸びながらもゆっくりと食道を通過し、胃袋の底の部分にまとまって落っこちるのである。「とろとろ」という半端な表現では、この感触は正確に伝わらないだろう。まさに固体である。すごい。こんなワインは初めての出会いである。この感覚だけで、すでにこのワインの虜になっているようだ。 時間が経つにつれて、香りに甘味が出てきた。マロンフレーバーではないが、それに似た温かみのあるアロマである。胃にぽったりと落ちたワインはようやく血管に吸収され、血液中に適度に混ざりこみ、腕の中を駆け巡り出すかのようなアルコールを感じてくる。 ボトル表記の13.5%以上の濃さを感じる。さすがは特級シュバリエ・モンラッシェである。その大いなる個性は決して華やかではないが、確実に飲み手の心に浸透してくる。うれしいぞ。このワインのエチケットは水色を基調として葡萄の葉っぱがあしらわれている。見るからに爽やかで、すがすがしさを感じるが、中身は重厚感と長期熟成タイプを思わせ、まったくの正反対の印象を受けるから不思議である。このギャップは絶対埋まりそうにない。 ちなみに今回のワインは次のワインのラストを飾り、この流れのすばらしさに感激の夜であった。特にニーロンとのつながり方は絶妙で、白ワインの妙技を堪能させてもらった次第である。 コシュ・デュリーのオーセイデュレス(赤)1997 甘い果実味はちょうど1年前のあの感激と同じである。やっぱりうまい。コシュデュリーの赤こそ、赤系果実味の典型に思われ、私の好みを代弁してくれている。 コント・ラフォンのマコン1999 苦味のある柑橘系。クリーミーな味わいはマコンの頂点に君臨するだろう。おいしい。幸運にも1999は二度目の出会いであり、各方面に感謝である。ちなみに初ビンテージは1998で、この時の模様はドリンキング・レポートを参照してね。 ニーロンのシャサーニュ・モンラッシェ クロ・ド・ラ・マルトロワ1998 決して華やかではないが、しっかりとうまみ成分を伝えてる。今回は抜栓直後に堪能させてもらったが、その味わいは前回のレポートと合い通じるものがある。ただ前回ほどの塊感はなく、意外にするりと飲みこめた。感激である。 <クロ・デ・シュバリエ> シュバリエ・モンラッシェの名前はここの畑に由来するという。パーカーでも絶賛しているが手元に資料がないため、後日加筆予定。 以上 |