ミクルスキ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年10月14日 | |||||||||||||||||||||||
<12/15再試飲> 室温24℃・液温18℃・蛍光灯・神奈川県内某所にて再試飲した。 シラーを思わせるコートデュローヌ色には、びっくりである。この黒い色合いは本当にピノ・ノワールだろうか。この色はピノ・ノワールでは今まで経験したことがない。焼いた栗香がメインにあり、黒砂糖やコーヒーもある。下司な言い方が許されるなら、チョコレート畑をせっせと耕した直後の香りがしている。味わいも酸がしっかりとあり、やや野暮ったさはあるものの、力強いヴォルネーである。前回の印象が弱かっただけに、同一キュベにしてこの味わい深さは感激もひとしおである。ミクルスキは赤も良いぞ。情報によれば、11月にミクルスキのセラー蔵出であり、前回のロットとは別物のようである。数ヶ月の違いが、味わいの差なのか、抜栓後すぐだったからか、なぞは深まりつつ、酔いも心地よく廻っていった。 <ヴォルネイ・サントノ・デュ・ミリュ> やや冷やして抜栓後30分経過した後INAOグラスへ。濃い紫がとても印象的である。その紫は一瞬ガメイかと思わせる。デュガ系の紫に相通ずるものがあり、個人的には苦手な色合いである。インクっぽさが消えた後のアロマは甘栗系の甘い香りが立ってくる。味わいは荒っぽさを隠せずに、やや奥行きのなさを感じさせるが、うまく小さくまとまっている感がある。アルコール分を感じ、酒として飲むワインかもしれない。ブリチーズとの相性が良く、ブリチーズの甘味のある香りが増幅されて、ブリが大変おいしくなる。 ミクルスキの赤はACムルソー1998・ACブルゴーニュ1998に次いで3回目。久しぶりである。しかしマスメディアに取り上げられる割には、今一つ飛びぬけないと思いつつ、試飲も終わりに近づいた。んん。少し違う。甘栗が消え、華がもわんもわん立ち込めているのだ。味わいにも丸みがついて、なかなかうまい。飲み応えに奥行きも現われ、充実感のあるワインに成長している。ん・。これはうまいぞ。抜栓してから、かれこれ一時間経とうとしているが、ようやく本領を発揮してきたようだ。ところがグラスにはワインは残り少ない。もう少し味わいたいが、ワインはなくなった。至極残念だと思いつつ、次ぎに出会えたときの飲み方が分かったことで、少しほっとさせてくれる。 このワインをおいしく飲むにはもう少し熟成させるか、抜栓してから飲むまでの時間にゆとりが欲しい。せめて1時間以上は待ちたい。時間がないからといって、グラスを回すのはお奨めできない。この微妙な繊細さが失われてしまうからである。せっかくのワイン。少しゆとりをもって接したい。そうすればミクルスキは必ず答えてくれるのだから。 <ヴォルネイ・サントノ> 名はヴォルネイだが、畑は隣村のムルソーにある。このACで白ワインを造るとムルソー一級を名乗り、赤ワインを造るとヴォルネイ・サントノを名乗ることが出来る。畑は素性と区画がはっきりするほど評価が高く、この場所はそういった意味からするとやや落ちる必然性を持っている。しかしデュ・ミリュに限ってはピノノワールしか植わっていないので、造られるワインは実質上赤だけになる。その明確さにより、サントノの中では評価も良く、さらにコントラフォンを始めとして大銘醸家がひしめき合い、人気のアペラシオンである。ミクルスキも当然その一員に入っていることだろう。 <ドリンキングレポート> ミクルスキ ムルソー1998 以上 |