アルマン・ルソー | ||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年12月7日 | ||||||||||||||||||||||
<再会> 今回のクロ・ド・ラ・ロッシュは1年ぶりの再会である。1年の歳月を得てワインがどのように熟成したかを見る絶好の機会である。なお、写真は1年前のものを引用している。 <味わい> INAOグラスにすぐ注ぐ。赤系の深みのあるルビー色である。全体に御香っぽい不思議なアロマに包まれている。やさしい味わいである。荒々しさはなく、妖艶な趣が前面に出ている極上のクロ・ド・ラ・ロッシュになっている。ただ惜しむらくは相当酔いも廻っていて、なんだか夢心地の中にあったりするから、妖艶な悦びに完全に包まれまくってしまった。 気分を変えて、ロブマイヤのミュジニグラスに。おっとである。妖艶から、宙に浮いたようなふわふわした味わいである。足が地面を離れ、内臓も浮き上がるような錯覚に包まれる。これはいい。こんな感覚はクロドラロッシュならでは、であろう。 つづいてポマール・グラスへ。うっ。今度は俄然濃い味わいである。深みのある落ち着いた味わいは、宙に浮いていた身体を静かに地上に下ろし、この村の力強さを堪能させてくれる。なんだかこの奥の手を出されては、その手に従うしかないだろう。「いいとこどり」。ジュブレ・シャンベルタンに隣接し、かつシャンボール・ミュジニとも融和し、その両方の特徴を真中の畑で実現する味わい。モレサンドニの秘められた実力にしばらくは身を委ねたい気分である。 <余談> 某誌の来年3月号はモレ・サン・ドニ特集という。ムルソーでのミクルスキの高騰ぶりが気にかかる。某誌発売前に、こんなモレ・サン・ドニは買い占めておきたいところである。否、今でも十分高い。しかし、この価格に見合った優雅さは懐の財政状況に厳しい一撃を加えてくる。欲しいな。でも1995も気になるし、デャジャークも押さえておきたいし、とにもかくにもモレ・サン・ドニへの思いは募るばかりである。 1年前のドリンキングレポート 以上 |