アンリ・マリオネ
試飲日 2002年02月21日
場 所    神奈川県某所  
照 明 白熱灯
種 類 フランス ロワール地方AOCワイン
生産者 Domaine de la Charmoise,
Henry Marionnet (Loir et Cher)
Vintage 2000 
テーマ 勝負3
ワイン Touraine M de Marionnet

<トゥーレーヌ 2000>
 抜栓後INAOグラスへ。緑色を薄く持ちながらも深い金色が輝いている。アンズ、湿った麦わらと煙が勢い良く立ち込めてくる。時間と共に新鮮なマスカットも現れる。口に含めば、貴腐を思わせる味わいながらしっかり辛口に仕上がっている。この貴腐的な要素に反し、辛口の味いは新鮮な驚きを隠せない。えっという感じだ。樹脂を感じる苦味が特徴。十分なとろみ感が甘めのニュアンスと共に余韻も長い。旨み成分よりもとろみのある苦味が支配的で、フォアグラなど油分の多いこってりした食事に合いそうだ。またハーブで香り漬けした魚や、桜チップで燻したサーモン、ベーコンなども食欲をそそる。時間と共に薄くマロンが漂い、バニリンオークも樹脂に変わって登場し、鼻から抜く頃には蜂蜜をうっすらにじませるりんごの甘味が漂ってくる。ただ苦味の大部分を占める樹脂の要素が好みを分けそうで、万人受けするかどうかは疑問が残る。また一本飲み干す頃には若干飽きてくる感じも否めないので、嗜好を凝らしたい夜や、サーモンが手に入ったときに飲んでみたかったりする。

 今回のワインはタルティーブ(Tartive)と呼ばれる栽培方法で造られている。通常より1ヶ月遅く収穫する方法らしく、そのためかアウスレーゼ的な貴腐のイメージが生まれているのだろうか。このあたりを研究するのも探求心をそそられたりする。また、ロバートパーカーの世紀のワインによれば、トゥーレーヌの代表的なワインは、このワインのほかはもう1種類しかなく、このアペラシオンを代表するワインでもある。


 シャルドネばかりが白じゃない。ソービニヨンブランで造られたと思われるロワール地方のワインもまた一興だ。今回ロワールは初登場であるが、マリオネ自体は初期のレポートにも登場している。ロワールといえば中下流地区のボンヌゾーやコトー・ド・レイヨンの甘口やトゥーレーヌと同じ中流地区のブーブレの甘口で馴染みも深いが、辛口にも俄然注目だ。またヴィオディナミ農法を提唱するニコラジョリーなど注目の造り手も多いので、しばらくロワールを攻めてみるのも悪くない。ミュスカデやロゼ・ダンジュなどいろいろ試してみたくなる。

 
以上
 


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