ダニエル・ショパン
試飲日 2002年08月03日
場 所    小料理屋はせがわ       
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC赤ワイン
生産者 Domaine Daniel Chopin (Comblanchien)
Vintage 1985
テーマ ダニエル・ショパン初登場
ワイン Nuits Saint Georges 1er cru Chaignots
 
<ニュイサンジョルジュ 1級 シェニョ>
 
抜栓後コルク臭が気にかかり、デカンタすることに。デカンタごと氷入りのワインクーラーに入れてしばし待つ。INAOグラスへ。熟成香がきれいに香り、コルク臭はほとんど消えていて判断の正しさに感謝だ。ガーネット系の淡い色合いはエッジの大部分に透明感があり、さすが17年の歳月を感じさせる。果実味はほとんどなくなっており、ミネラリーなやさしい味わいだけがグラスにやっとの思いで残っているという感じ。うまみ成分にやさしく包まれた儚さは「水に返ろう、土に返ろう」と呟いているかのようだ。リキュールっぽさも熟成香に混ざり合い、今宵が最後の飲み頃だったかもしれないと思わせてくる。ワインの熟成のひとつのあり方として、非常に興味深く、そして何よりおいしいワインである。

 グラスをくるりと回しただけで急速に落ちていきそうな危うさ。できるだけグラスを揺らさずに丁寧に扱えば、なんとか最後の力で食事の伴奏をしてくれる。舞台を所狭しと走り回っていた名優が晩年、静かなる演技を同じ舞台で披露してくれているような、そんなしみじみとした味わいでもある。

 今回のワインは逗子某所の天然セラーにて長期間保管されていたもので、エチケットはぼろぼろになっていたが、中身は何とか大丈夫だった。か弱い味わいながら、しっかりとワインとしていきつづけ、今宵出会えたことに強烈な感激を覚えたりする。某氏に感謝である。なお、畑はヴォーヌ・ロマネ側にある。


<同時抜栓>
 ショパン・グロフィエ


以上



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