コント・ラフォン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年08月26日 | |||||||||||||||||||||||
<ムルソー・ペリエール 1997>
抜栓後すぐINAOグラスへ。とろけるような黄金色が美しく輝いている。グラスを口元に近づけた瞬間、「ぐっ」と唸ったまましばらく硬直してしまう。「ふくよか」な香りが豊満に漂っているからだ。燻したヘーゼルナッツを極々上品に甘いブーケで包み込んだような、この極上の香りを言葉で表現することへの抵抗と表現力のなさが錯綜し、えもいわれぬ夢心地である。口に含めば、背筋がビクンと反応し、全身を鳥肌が駆け巡る。首の骨が幾度も軋むこの味わいは、まさにコント・ラフォン節の最高傑作であり1年前に飲んだときよりも、いわゆる「熟成がすすんでいて、いい感じ」である。1997にして熟成の域に達し、この味わいが今後10年以上も続くのかと思うと、脅威すら覚える。すばらしい。この官能的な興奮状態は、長い余韻と共にいつまでも覚めやらない。 少し冷静になってみると、豊かな果実味を覆い隠す複雑なうまみ成分が少し燻し気味に口元を漂いつづけている。ワインそのものの勢いがすばらしく、強さと滑らかさを持ち合わせ、それが熟成モードでコーディネートされているかのような、やはり何とも言葉では表現し得ない魅惑の味わいである。そしてうっすら瞳を潤す感動に包まれる瞬間を大いに楽しみたいところだ。ふう。やはりラフォンの看板ワインはとてつもなく、うまかった・・・・・。何故こんな偉大なワインを堪能できるのか、今宵の出会いに感謝である。 以上 |