ジャン・ノエル・ガニャール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年08月26日 | |||||||||||||||||||||||
<シャサーニュモンラシェ モルジョ 1999>
抜栓後すぐINAOグラスへ。液温18℃。美しい金色が輝いている。カラメル、飴、バニラが上品に香り、この村の特徴であるトロピカル・フルーツはまだ影を潜めているようだ。口に含めば、繊細でふくよかなうまみ。しっかりした酸があり、凝縮したエキス分を堪能できる。豊かな果実味をクリーミーな滑らかさが覆っているようでもある。 まだ閉じ気味の味わいからは、端麗的な要素が感じられ、超熟タイプを彷彿とさせる。しかし、今飲んでもこのワインのエッセンスが楽しめるので、この味わいを知った上で数年後の熟成を楽しみにしたい逸品だ。いつもより長めに口に含んでから飲みこめば、唾が溢れだし、バックテイストとよばれるうまみ成分が押し戻ってくる。力強さを秘めつつ、女性的で上品な味わいがお洒落なエチケットに重なるとき、ジャン・ノエル・ガニャールの虜になっていたりする。 <シャサーニュモンラシェ カイユレ 1999> 同じく抜栓後すぐINAOグラスへ。液温17℃。モルジョと同じ美しい色合い。こちらは華やかなイメージが印象的で、カラメル、シフォンケーキに加わり、気持ちトロピカル・フルーツも見え隠れしている。ふくよかな上品さはモルジョと共通し、モルジョにはなかったケーキのような甘味が、口の中でうまみ成分と絡まり、何とも心地よい。余韻も長く、さすがこの村を代表する一級畑である。全体の基調としては華やかさが感じられ、シャサーニュ・モンラッシェ飲んでいるという充実感が味わえる。ただ華やかな分、モルジョよりも早飲みタイプかとも思われる節があることも否定できなかったりする。 ちなみにこのワインは10ヶ月前にも堪能していて、そのときのケーキのような印象がそのままだった。再会に感謝である。 <まとめ> ジャン・ノエル・ガニャールは娘のカロリーヌさんによって経営されていて、美しい彼女のやさしくも、きりりとした語り口と、ワインの印象が相当に重なってくる。このワインを飲むということは、立場も、教養もある美しい女性が上品につくりあげる逸品を楽しむということ。今回の二本は、モルジョを端麗的な美しさとして、カイユレを社交的な美しさと表現してもいいかもしれない。このレベルになるとほとんど飲み手の好みによって評価も分かれるというものだろう。ただ、いかんせん数が少ないので、次に出会えるかどうかわからないところがつらい。ありそうでないところが、ジャン・ノエル・ガニャールの泣き所でもある。 以上 |