アンベール | |||||||||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年09月25日など | |||||||||||||||||||||||||||||
<ジュブレ・シャンベルタン 1級 ポワスノ>
抜栓後すぐINAOグラスへ。室温25℃、液温18℃。明るい基調だが、村名よりも濃く、ややムラサキ含みの黒系ルビー色。エッジは同じく透明。砂糖につけた赤系の果実と甘草が華やかに香り、磯の風味も加わってくる。このやさしさいっぱいのジュブレ・シャンベルタンらしからぬ味わいは、この村を意識するゆえに、リズムが少し崩れる思いもしないでもない。この感覚も面白い。全体的な印象は、村名とほぼ同じながら、それを一回り大きくしたようなスケール感がある。 全体的に「きれいな味わい」なのである。もともと荒々しさを期待するがゆえのやさしい基調は、意外なうれしさをもたらしたりもする。特に1999のあまりよろしくない印象を引きずったままでいると、なおさらだ。普通は逆である。1999の方が2000よりもいいはずなのに、アンベールはまったく逆をいっている。 口に含んでからしばらくすると、この村らしいタンニンが歯茎にまとわりつくが、ゴクリと飲みこめば、すいっと消えていく。余韻はそれほど長くないが、この美しい味わいはピノノワールのひとつの表現方法でもある。そしてこの美しさはワインとしての楽しみでもある。 今回はユベール・リニエのすばらしい村名ワインのあとに楽しんだが、リニエのあとでも、まったく引けをとらない味わいは、このワインの実力を物語っているのだろう。 畑はラボサンジャークなどの一級畑が連なる丘の一角にあり、ドメーヌからも程近いが、見た目以上に傾斜がきつく、畑を一往復するとかなり疲れたりする。
以上 |