レカン・ルソ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年09月28日 | |||||||||||||||||||||||
<サントネ 1級 クロ・ルソー 1995>
冷やして抜栓後約一時間ほど待ってINAOグラスへ。極々薄い金色。香りには燻し香があり、うっすらとハニー香も感じられる。口に含めば白桃系の果実味が何とか存在し、土俵際でまだまだ踏ん張っているという感じの構造はあるものの、今宵その役目を終わらせてもらいますと宣言しそうな味わいだ。ブルゴーニュの92年の白は後世に語り継がれる偉大なビンテージだが、このサントネはその恩恵をこうむりつつ、やはりアペラシオン通りの味わいが悲しくもあり、なるほどと思ったりもする。 気分を変えて、豚の角煮に合わせてみる。うっと。完璧だ。角煮の甘味を静かに吸収し、心地よい酔い加減に仕上げてくれる。甘味を酸味と苦味でコーティングしてくれたかのような印象だ。何とも不思議なことに、豚の甘味に立体的な味わいがプラスされるのだ。豚とサントネ。いい組合せだ。そして、これまた不思議だが、糠漬けの胡瓜にも絶妙にヒットするところに自ずと笑みもこぼれてくる。食に文化あり。貴重な体験は、ちょっとした好奇心から産まれるのだろう。 抜栓後1時間近く待ったのには訳がある。ヒラメの刺身に合うのはサントネかなと思って開けてみたものの、残念ながらお互いの個性がぶつかり合い、苦いヒラメになってしまったのだ。急遽機転をきかして、ヒラメにはシャブリを合わせてみた。なるほど、同じシャルドネでもここまで相性が違うものかと素直な驚きに知的好奇心がくすぐられたりする。 某女史と某氏に感謝である。 以上 |