コント・ラフォン
試飲日 2002年12月26日
場 所    神奈川県某所
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC白ワイン 
生産者 Domaine des Comtes LAFON (Meursault)
Vintage 1998
テーマ 再び
ワイン MONTRACHET
 
<モンラッシェ >
 
少し冷やして抜栓後すぐINAOグラスへ。比較的明るめの金色で、グラスを伝う涙のとろとろ感はさすがである。燻したヘーゼルナッツが豊かに香り、土壌香的なニュアンスも強い。口に含めば、やや冷たさを感じる温度で苦味のなかにタンニンからくるイガイガ感とも言いたい違和感があり、同時に瑞々しさのような印象も受ける。そして天下のモンラッシェをして、少し好みと違うかなと思ったりする。酸も特級にしては弱いような感じもしなくもない。しかしである。温度が舌になじむ頃になると、グイグイ深みが増してくる。うっすらと蜂蜜も感じられ、品のよさは天下一品。余韻は長く、1997のような華やかさはないが、しっかりとした落ち着きのある味わいになっている。時間がたつほどに燻し香が複雑みを増して、さすがモンラッシェの実力を発揮してくるからすばらしい。それはちょうど燻し香全開のムルソーから野暮ったさを取り除き、優美な品を掛け合わせたような味わいだ。濃すぎず、強すぎず、飲みやすいのに充実感を伴っている。さすが大金持ちのテーブルワインの異名を持つモンラッシェであり、1997ビンテージを除くいわゆるコント・ラフォン節全開モードである。


 ところで今回のモンラッシェは一年以上前にも試飲している。当時は華やかな1997の印象に負け、ふがいない感想しかかけなかったが、今回は全体的な基調は同じものの、落ち着き感が前面に出ていて、当時からの熟成カーブもラインがつながり貴重な体験であった。安くないワインなだけに、今宵の再会に感謝である。


 一年前のモンラシェ


以上



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