ジャンテ・パンシオ
試飲日 2003年03月04日
場 所    都内某所
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方 AOC赤ワイン
生産者 Domaine Geantet-Pansiot
Vintage 1999
テーマ ジャンテ・パンシオのシャンボール
ワイン Chambolle-Musigny VV
 
<シャンボール・ミュジニ 古木>
 室温のまま抜栓後INAOグラスへ。液温23℃程度で、ややぬるさを感じる。ムラサキ含みの濃いルビー色で、少し濃すぎるような気がしないでもない。香りは控えめながら、オリエンタリックでスパイシーな雰囲気があり、フレッシュな赤系果実のニュアンスもある。口に含めば、温度のせいか、鳴かず飛ばずの中途半端な味わい。これはちょっとイカンゾと思い、すこし冷やしたワインをグラスに注ぎ足す。ふう。ひんやりさを感じる温度になり、一安心。構造的に崩れかかっていた部分が持ち直し、さらには、しり上がりにグイグイ持ち上がる潜在的な能力とも絡み合い、いい感じになってきた。赤系果実の濃縮感の中に、優しいパンシオ節が感じられ、タンニンの粉っぽさが少し気にかかるが、シャンボールのテロワール自身が持つ優しさと当主ヴァンサン・ジャンテの人柄のよさも加わって、品のある味わいが楽しめる。独特のスパイスさとこなれていないタンニンの影響からか無性に赤身肉が欲しくなるあじわいだ。余韻はそれほど長くないが、充実したピノ・ノワールの世界を楽しめるので、レストランなどにリストアップされていれば、かなりうれしいワインのひとつだろう。抜栓してしばらく待ったほうがポテンシャルを開花させるので、今すぐ楽しむなら、デカンタをしてもいいかも。

 ジャンテ・パンシオは一週間前に、おなじくシャンボール・ミュジニの1級を堪能したが、やはり1級と村名では格の差を感じた。今回の村名では、一級のハイ・インパクトな印象はさすがに超えられなかった。これがアペラシオンの差なのだと思うとワインがどんどん面白くなって来るから不思議だ。

 当主のジャンテ氏とは個人的に親しくさせて頂いており、先日もジュブレ・シャンベルタン村の某レストランで意気投合したりした(ドメーヌ・モームのモーム氏も一緒だった)。個人的には最近高校を卒業してドメーヌの手伝いをするようになった娘(エミリー・ジャンテ)さんの方と仲良くしたいのだが、彼女の前にこのニコニコ顔のおやじさんが立ちはだかる所が辛かったりもする。
 

以上

 


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