ドメーヌ・ゴビ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年05月30日 | |||||||||||||||||||||||
<コート・デュ・ルーション・ヴィラージュ VV> 抜栓後すぐINAOグラスへ。色合いはかなりの濃さがあり、ムラサキを色濃くする黒赤色。香りのインパクトは相当強く、甘いバニラに加えて、チョコレート、赤系果実、黒系果実、お花畑のニュアンスが感じられる。口に含めば、乾きめのタンニンが気にかかるものの繊細さを伴った滑らかな味わい。濃縮を達成しながら、それでいてこの滑らかベースは心地よい。酸味とのバランスもよく、強いアルコール感(表示は14.5%)に助けられつつも、十分飲み応えがあるからうれしくもある。余韻はそれほど長くはないが、綺麗なフィニッシュ感があるので、いい感じである。 ただしそこは土地柄からか、ハイ・インパクトな味わいは時間とともに単調になりやすく、抜栓後小一時間ほどで緩やかな下降線を辿ってしまうところが、残念だと思いつつ、致し方ないところだろう。いずれにしても抜栓直後の強烈なメッセージは一飲の価値は大有りである。 このワインは以前飲んだムンタダと同じAOCながらセパージュ比率が異なるらしく、畑の場所が違うらしい。パリ在住の某女史曰く「ムンタダがメロンの真ん中の熟した最高級部分とすれば、このワインはそこを少しはずした、まだ青さが残る部分を食べているような感覚」という。なるほど、硬めの肉質はそれはそれでおいしいが、上には上があるよと暗示されているようでもある。両者の日本での価格差を考えると妙に納得の説明だったりもするが、今度は同時抜栓で両者を比較くするのも面白いかもしれない。 以上 |