エマニュエル・ルジェ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年03月13日 | |||||||||||||||||||||||
<特級エシェゾー> 抜栓後すぐリーデル・ブルゴーニュグラスへ。深みのある美しいルビー色。香りは華やかで、カシスやブルーベリー、フランボワーズなどの果実香がふくよかな豊かさを伴って香ってくる。口に含めば、滑らかな味わいで、程よい酸味が丸みを帯びたタンニンとのバランスもよく、抜栓直後はやや硬さも見られたが、時間と共に和らいでいく様は圧巻である。水のごとく滑らかな味わいは、ややもするとするりと飲み込んでしまいがちだが、押し戻ってくるバックテーストに体も揺さぶられるというものだ。余韻はとことん長く、うかい亭の傑作サーロイン肉との相性も抜群であった。 高級鉄板焼きというシチュエーションのためテーブルには色とりどりの香りに満ち溢れていたが、このエシェゾーはその豊かな香りでもって、その場を制するかのごとく存在感を見せつけていた。時間と共に焦がしたニュアンスが舞い始め、ゆっくりとたっぷりと味わった最後の香りには官能的な豊かさを感じたりする。いつまでも漂い続ける極上の香りは、まさにグラスを持って帰りたい症候群なのである。 ルジェの2000年はとてもすばらしい。優しい赤系果実のニュアンスから、時間と共に黒系果実へ、そして焦がしたニュアンスへと移ろいゆく様もさることながら、薄い色合いと滑らかな味わいに溜息をしつつ、たっぷりのったうまみ成分に身を任せる瞬間が夢心地なのである。 素敵な人たちと極上の場で味わうおいしいワイン。感謝である。 以上 |