ルー・デュモン
試飲日 2004年10月15日
場 所    平塚駅西口某所
照 明 白熱灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方赤ワイン
生産者 Lou Dumont (Gevrey-Chambertin)
Vintage 2002
テーマ 日本人が造るブルゴーニュワイン
ワイン Savigny-Les-Beaune blanc
Vosne-Romanee
Chambolle-Musigny
Nuits-Saint-Georges VV
Gevrey-Chambertin

<サビニー・レ・ボーヌ白>
 
抜栓後ある程度試飲された後、半日ほど経過してからリーデル・ブルゴーニュグラスにてテイスティング。とろみ感のある金色で、香りには焦がしたマロンフレーバーが嫌味なく上品に漂い、ブラインドで出されたならば、コルトン・シャルルマーニュかと嬉しそうにいいそうなハイインパクトが嬉しい。まさに天津甘栗の屋台を素通りし、その甘く香ばしい香りにふと足を止め、数歩戻って一袋買いたくなるような香り立ち。口に含めば、酸もしっかり存在し、ミネラル感と共に、かなりのうれしさが込み上げてくる。余韻も長めで、サビニーの白ってこんなにうまかったっけ?と嬉しく首を傾げる様は、ちょっといい感じである。正直、うまいです。参った。(個人的にはシモン・ビーズの白は大のお気に入りで、その美味しさに通じる味わいかもしれない・・・。)


<ヴォーヌ・ロマネ>
 
村名畑の若木のキュベ。前日に抜栓したものをリーデル・ブルゴーニュにて。美しいルビー色がベースにあり、濃くなく薄くないいい感じの色合い。赤系果実味果実香で、スパイスのニュアンスにうっすらとバニラが重なりつつ、なかなかに上品である。口に含めば、優しい味わいで、口への馴染みも悪くない。ただ余韻は短めで、幾分あっさりしすぎているニュアンスは、若木ゆえの味わいだろうと想像すると、アペラシオンの個性よりも樹齢の個性が楽しめる逸品かもしれない。


<シャンボール・ミュジニ>
 
抜栓後すぐリーデル・ブルゴーニュへ。色合いはヴォーヌ・ロマネとほぼ同じで、香りには赤系の果実香が心地よい。口に含めば、それほど複雑みはないが、シャンボールらしい女性的で繊細なニュアンスも楽しめ、今飲んでとても美味しいワインである。華やかさも持ち合わせ、またヴォーヌ・ロマネよりも樹齢を重ねているだけあって滑らかさに奥行き感も加わって、比較すればするほど面白くなってくる。品のある美しいワインである。


<ニュイ・サン・ジョルジュ VV(古木)>
 
抜栓後すぐリーデル・ブルゴーニュへ。色合いはヴォーヌ・ロマネとほぼ同じ。黒系果実と赤系果実のバランスも楽しく、力強さを感じる香り立ち。口に含めば、丸みを帯びたタンニンと酸とのバランスもよく、土をイメージする重量感も面白い。うまみもたっぷり乗っていて、スパイスな肉料理が欲しくなるまさにニュイ・サン・ジョルジュな味わいで、古木ゆえの上品な滑らかさと優雅さが力強さに寄り添うように感じられ、とてもおいしい味わいである。余韻も長く、ビオ系ワインに通じるような癒される感じもまた一興である。買占めか???


<ジュブレ・シャンベルタン>
 
抜栓後すぐリーデル・ブルゴーニュへ。色合いはヴォーヌ・ロマネとほぼ同じ。香りはややバニリンオークが利きすぎて、バランスが崩れている。げすに例えるならば、フィリップ・ルクレールの樽的なパワフルさを優しいモードに切り替えて、甘みを少し減らしたようなニュアンスかも。それでも黒系果実の力強い味わいに、熟成させたらすごくなりそうで、ちょっと期待を寄せたかったりする。今飲むならば、バニラ風味の好みにもよるが、少し知恵を絞らなければ、美味しく飲むのは難しそうだ。あと少し待ちたい気分かもしれない。次回の出会いに期待したい。


<まとめ>
 
2001年ビンテージは異国で奮闘する日本人ということで応援モードが前面に出ていたが、いやいや2002年は堂々とした味わいで、造り手の国籍を意識させない見事なワインになっている。すばらしい。ネゴシアンゆえにいろいろなアペラシオンのワインもラインナップでき、それらを比較する作業も楽しげだ。今のところアペラシオンの個性よりも、樹齢による味わいの差が顕著に現われていて、視点を少し変えるだけでも、知的好奇心はくすぐられるから面白い。そしていろいろなアペラシオンのワインも試してみたい衝動に駆られ、とりあえずはムルソーなんかを飲んでみようかと思う食欲の秋なのである。


 2001年水平


以上

 


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