シャソルネイ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2005年06月04日 | |||||||||||||||||||||||
<4ヶ月前の感想> <シャソルネイの2003> さて、シャソルネイである。今回のワインは2月に試飲済みで、その後四ヶ月を経てどう変化しているかが注目されつつ、静岡での宴は始まった。最初のポエはパリで試飲済みで、今回は酸化防止剤未使用ワインは日本までの輸送に耐えられるかが焦点のひとつとなったが、品質に関しては全く問題はなく、きわめて良好な状態であった。味わいにはコクがあり、リンゴを擦ったようなニュアンスも面白い。そして不思議なことにINAOグラスに注ぎ3時間経過してもなお、そのスパークリングな状態は保持されていて、その不思議な泡立ちのよさにも関心が集まるのだった。 ブルゴーニュの白は、ダブル・デカンタで意図的に残された二酸化炭素を飛ばしてサービス。たんぱく質を焦がしたような、若干髪の毛を焼いた香が酸化のニュアンスを際立たせていて、デカンタしないほうがよかったかなと思いつつも、時間と共にハチミツやパイナップルなどの印象に代わって行ったために、最初のぴりぴり感を回避して正解だったように思われた。ブドウのポテンシャルも高く、若干酸の不足感はあるものの、時間の経過と共に様々な一面を覗かせるところがすばらしかった。 ブルゴーニュの赤もいい感じ。ダブルデカンタしてもなお還元的でくぐもった印象だが、カブトムシが棲んでそうな、自然な香立ちも悪くないだろう。四ヶ月前に飲んだ時の愛想のなさはなく、とてもおいしいブルゴーニュになっている。 サン・ロマンはこの日一番の声も高く、絶妙なバランス感覚が好評だった。しっぽりと馴染むような味わいに、ふと癒されていく。ローインパクトで、ミネラルな薄いお味、そして長い余韻。いわゆる自然派ワインの三拍子が揃ったワインで、とても穏やかな気分にさせてくれる味わいだ。サン・ロマンの急斜面に転がる「石」を感じることもできるかもしれない。 最後のニュイ・サン・ジョルジュ1級クロデアルジリエールは、グリップ感を伴った名作系ブルゴーニュの魅力を秘め、男性的で力強い味わいは、ニュイ・サン・ジョルジュそのもので、ここを一級格付(以上)とした由縁がワインから溢れ出てくる。(某氏曰くDRCのワインみたい・・・というのもあながち遠くない比喩のような気味する)。2003年の赤に見られるぺたぺたとした残糖感はなく、気持ち甘いながらも、それは心地よさに関連付けられ、丸みを帯びたタンニンはとても滑らかで、思わずうまいなあと溜息混じりに言ってしまったりもする。余韻は長く、2003年の赤ワインの成功の見本として、記憶にとどめたい一本だろう。 2003年のシャソルネイは、今とてもおいしくなっている。長期に熟成させて楽しむよりも、よりは今飲んで面白いワインという印象を持ったりしつつも、この染みこむようなおいしさに慣れてしまうと、南系のコクのあるドってりワインが飲めなくなっていくのが手に取るようにわかるのも、痛し痒しかも知れない。 いずれにしても4ヶ月でここまで変化するとは、ちょっと驚きを隠せない。なおグラスは私はINAOグラスを用いたが、参加者の方々にはリーデル・ヴィノム・ブルゴーニュにてサービスさせていただいた。飲み方にも一工夫施したが、詳しくは改めて・・・。 おしまい |